仕事始め

 やるべきことに追われたまま正月休みが終わってしまい、3時間ほどの睡眠で仕事始め。
眠くてたまらない。電車はまだ空いている。

 年賀状で知人の近況を知って驚くことがある。97年頃六本木の日本脚本家連盟ライターズスクールで一緒だった中田文さんとは年賀状のみの付き合いになっていた。
昨年の年賀状は「最近映画を撮ったりしています」。
今年は「私が作った映画『UTAKATA』が1/8から公開されます。(UPLINK Xにて)」ということで、へえ、どんなんだろ?と思ったら、中村うさぎのドキュメンタリーだった。面白そう。
中田文さんが監督・撮影・編集・製作って、すごいなあ。

他にも暫く音信不通だけど活躍中の知人のHPなど発見し、感心して見入る。
私は何やってんだろうなあ。

 20:30まで残業。帰って洗濯。
2005年01月05日(水)

『BARNEYS NEW YORK 新宿店』,『創作フレンチ レストラン マルグリット』

 出掛けるのが遅くなってしまい、駆け足で『バーニーズ』のバーゲンを見る。
ブラジルのデザイナーのカラフルなニットスカートと、VIKTOR & ROLFの紫のセーターを買う。

9階の下着売り場でちょっといいスリップを買おうと思ったら、5万円とか7万円とか。買えない。
もう少し安くて可愛いのは?と探していたら4,200円。何でこんなに違うの?と思いながら買ってしまう。
よく見ればレース使いとか布地の質感がまるで違うのに、試着もせずに慌てて買ってしまい、失敗。

 友達との待ち合わせに10分遅刻。『創作フレンチ レストラン マルグリット』でレディースコース。
普通レディースコースといえば上品な量で物足りないこともあるけれど、ここのはなんだか盛りだくさん。友人もデザートを残してしまうほど。
私が「チーズは苦手」と言ったらメニューを変えてくれたのに、最後にチーズとチョコレートのケーキが出てきたのは悲しいが、他は美味しかった。いい店だと思う。

子供を抱えて離婚する友達を励まさなきゃいけないのは私なのに、「慰謝料もだいたい片がついたから。相談にのってもらったし」と彼女がご馳走してくれる。

友達は離婚問題で落ち込んでいる時期に他の男性から「付き合って」と言われて、ちょっと悩んでいた。
「将来を描けない人とは、だめかも」と彼女は言うのだが、寂しい時に会って心和むならそれでもいいんじゃないかと私は思う。
いろいろ話して「将来っていうのは結婚とか、生活のことというより、これからどうしたいとか、どうなりたいとかいう気持ちの問題。やっぱりトキメキがなくちゃね」という結論。

彼女はきれいだしきちんとしているし、優しい人だからチャンスはあるに違いない。
2005年01月04日(火)

『サンシャイン60 トリアノン ラウンジ』,『酒菜 ふくみらい』

 新座に泊まった時はいつも昼近くに起きて何か食べて帰るのだが、7時前に目が覚める。
起きて洗い物をしていたら、母が寝間着で起きてきた。服を着ている私を見て
「コタツで寝たの?」「ううん」「帰るの?今日は用事があるの?」「うん」
「昨日はごめんね」「はい」「寝覚めが悪いからさ」「うん。もう寒いからいいよ。あ、鍵閉めるのか。じゃあご馳走様でした」「はい。じゃあね」

幼い頃、母が私を叱り、父親が私をかばい、母が「二人とも出てけ」と言ったことがある。私は強気で父親に「ねえ、いつ出て行くの。早く出て行こうよ」と何日も言い続け、母が謝った。
変わってない。60歳と90歳でも取っ組み合いの喧嘩をしそうな気がする。

 帰って日記。掃除、洗濯。

 大学の同級生I君から電話。ロシア人の婚約者と3人で会うことになる。
サンシャイン60から東京の夜景はどうかな、と思ったら、既に新宿で体験済みとか。
池袋からの眺めはまた違うのでは。I君が「喜ぶと思う」と言うし、正月でやってる店も少ないから『トリアノン』にする。

私も『トリアノン』は初めてだった。お正月だから、夜景はいつもより暗めだったかもしれない。それでもキレイ。

初対面のTはI君より12歳年下。写真で見たとおり、美人で背が高い。I君も背が高くて日本人っぽくない風貌で、お似合いだ。顔はI君の半分くらい。

Tは日本語が少しと、英語が出来る。I君は英語と、ロシア語が少しできる。やはりそれが高ポイントだったようだ。

今、二人はI君の6畳一間風呂なしアパートに住んでいる。外国人の彼女を一人で銭湯に行かせるというのも驚いたが、なんとパソコンもテレビも冷蔵庫もテーブルもない!ってホントかよ。洗濯機はあるのかな。

「アナタは日本で一番貧しい階層の人なの?」とTに聞かれたと言っていたが、経済大国ニッポンでこの暮らしはショックだろう。

ロシア人はテレビが大好きらしい。寒いから皆家で過ごす。Tもテレビが大好き。なのにテレビがない。パソコンがあれば故郷の人たちともコミュニケーションが出来るのに。「もっと言って下さい」とT。

 『トリアノン』はお祝いで私の奢り。次の店はI君がご馳走してくれる。
昭和レトロ風の居酒屋『酒菜 ふくみらい』。

引き続き、二人でI君にプレッシャーを与える。

「テーブルない、料理難しいです。冷蔵庫ない、肉、駄目です。すぐ腐ります」とT。
そうだよなあ。昨年夏なんて、あんなに暑かったのに、冷蔵庫がないなんて!

お金がないわけではなく、それがI君のライフスタイルだったわけだが、変えろよ。
「でも、J(I君の名前)いい人。他の日本人と違う。ロシア人にもいない。Jだけ。大好き。だからOK」とT。もう、こんなに愛してくれてるのに、テーブルなんて、明日買え!

「そうなんだよねー。そうなんだけどさー、ものぐさなのかなー」
って、そんなラヴラヴがいつまで続くと思ってんだ。
「Jさえいればいい、何もいらないって言ってんならいいよ。でもテーブルが欲しいって言ってんだから、応えてあげなきゃ駄目じゃん!好きだからあんまりうるさく言えないんだよ。でも切実なんだよ。すぐに買ってよ!」
「ちゃぶ台はあるんだよ」
だからね!ああもう!

私が店の箸袋に「TV(PC),TABLE,SHOWER」と書いて「いつまでに欲しい?」とTに聞いたら「6ヶ月」。優しいじゃないの。「ハイ、署名して」とI君にサインさせる。

I君は仕事が忙しくて夜も遅い。Tはインターネット・カフェに行ったり、日本語の勉強をして帰りを待っている。
休みにはあちこち連れて行ってあげてるみたいだが。

ロシア人の離婚率は5割だという。大丈夫かね。まあかなりいい感じだけど。

I君もいろいろあったが、いい人にめぐり会えて良かった。嬉しい。私も頑張ろうっと。
2005年01月03日(月)

ヴィデオ『マグノリア』,新座

 高橋玄さんが「ライバルだ」と言っていたポール・トーマス・アンダーソン監督の『マグノリア』をヴィデオで見る。
もう一度映画館で見るべきかもしれないが、絶対見たくないような気もする。
あの「グチャッ!ベチャッ!」「ボトボト、ボトボトボト!ドドドドドドーーーー」という音に耐えられる自信もない。あれ、本物なんだろうか。ううう。
しかし、かなり好きな映画。

見終わって、シャワーを浴びて、ヴィデオを返して新座の実家に着いたのは20時。
「遅いわね」と母。
「ケータイにメッセージ入れたよ」
電源を切ってあって意味がない。5時から飲んでるT叔父と、母にケータイ講習。

「電源を入れておくと変なメールが来るのよ」と母。
「電源切ってもメールは来るんだよ」と何十回言ってもわからない母。
母はこまめに削除しているというが、出会系の迷惑メールを500通以上受信。
「何にもしてないのに」と母。
「間違って返信したからだよ」とこの会話も何度したことか。

指定したアドレスからのメールしか受信しないように設定してあげるつもりが、
実は私もよくわかってない。機械オンチの母娘。

そして、母はメールのタイトルだけしか見ていないことがわかった。
日生劇場の場所をメールで教えたのに
「帝国劇場、としか書いてなかった」
ってそれはタイトルで、本文を見なくちゃ駄目じゃん!
「あらー、そうなの?知らなかった」
トホホ。

着信履歴の見方も忘れている。「もうイヤだ」と言うが「駄目。覚えて」。
酒を飲んでいるし、続けて使わなければまた忘れてしまうだろう。何度でもやる。

母はちょっと元気が出てきたみたいで、「自立しなくてどうする」「遅刻は最低」「あの学校本企画はなんなの」と私に反撃し始める。

T叔父が「俺は離婚するけど、あんたも離婚するんじゃないかと思っていた」と言うと
「あんたにそんなこと言われる覚えはない」と母。
「お母さんだっていつも叔母さんの悪口言ってるじゃない」と私。
「それとこれとは違うのよ。あたしが言うのと、Tが言うのは意味が違う」
「あ、俺が悪かった。俺、それは、違う。ごめん」とT叔父が言ってるのに
「思っているから言ったんでしょう、がっかりだわ!」と責める母。
「取り消してるんだからいいじゃない。思うのは自由でしょ。『ブス』と思うのと人に向かって『ブス』って言うのは違うんだから」と私。
理屈で言い返せない母は
「なんなの、大きな声出して。近所に聞こえるでしょう!」
「よく言うよ。自分は散々大声で怒鳴り散らしてた喧嘩してたくせに。これぐらいで近所の誰が驚くかね。」
「何よ、あんた。何しに来たの?帰りなさい。出てって」
「ふーん。…帰ります」
「もう1時だよ」とT叔父。

トイレに行って、玄関に立つと、T叔父と母が二人ががりで「やめなさい」と私を引っ張る。
「帰るよ!帰れってあんたが言ったんでしょう!放してよ!帰るんだよ!」
「止めろ!座りなさい!」って、取っ組み合い。酔っ払いの大立ち回り。

「来いって言うから来て、帰れって言うから帰ろうとしたのに、やめろって言うならハイ、止めます」と座る私。電車がない時間になって「帰れ」というところが憎たらしい。涙が出る。母も座って、両手で顔を覆って泣く。

「なんなのこれは。なんでこんなふうになるの。いったい何?」と母。
「セラヴィ。人生でしょ」と私。というか、ただの酔っ払いだ。
「もう寝たら」と私が言って、お開き。

新座には来たくなかった。元気のない母といても面白くないから。
正月早々こんな喧嘩になるとは思っていなかったが、これは喧嘩をする元気があるということなのか?

争いごとが嫌いというT叔父は、ここで私を帰すと、また母が「親子の縁を切る!」と言った時のように面倒なことになると思って止めたのだろうか。大変だなあ。

映画『マグノリア』では女の子が父親に「出てって!出てけ!早く出てけ!」とわめき散らす場面があった。
今日の私は反対だな、いったい幾つだよと少し可笑しくなる。
年末年始で母の早朝体操もお休みだから、いい運動になったかも。

風呂に入るのも面倒で、服のままベッド。
2005年01月02日(日)

『池袋西武』,映画『ボン・ヴォヤージュ』

 昼に起きて年賀メール送信。日記2日分。

 元旦初売りの『池袋西武』。駆け足で見て下着を一組購入。

 新宿武蔵野館で『ボン・ヴォヤージュ』を見る。劇場には10人もいない。
いい映画だった。ドイツ軍がパリを占領する前夜のドタバタをお洒落に可笑しく描いている。
その時期にパリやボルドーで何があったかほとんど知識がなかったので、勉強にもなった。

 NHK『新シルクロード』のプロローグ「25年目のシルクロード」を見る。ヨーヨー・マ、素敵だ。
本当に素直に音楽が好きでたまらない、って感じでチャーミングな人だ。
2005年01月01日(土)

年賀状

 ニュースによると、大晦日・年明けは「家族と過ごす」という人が9割なんだとか。
私はマイノリティーだ。
しかし激しい雪に、出掛ける予定がなくて良かったと思う。

メールやら年賀状作り。メールアドレスのわからない人、PCをやらない人には郵送。
レコード大賞、紅白歌合戦などチラチラ見ながら、朝6:30まで作業。
2004年12月31日(金)

『宮崎学の文章道場!』,『檸檬屋新宿』

 文章道場の課題『2004年を振り返って』。私の今年後半のテーマであった『ナンパ作戦』を書く。
こういうのは苦労なく書ける。といっても2時間かかった。

 17時にグランカフェピクチャーズに着いて打ち上げの買出しをする予定が渋滞で17時半になる。
「遅れてスミマセン!」と入って行くと、奥の部屋では打ち合わせ中の様子。

表で待っていてくれたMさんと一緒に買出し。Mさんが今日の段取りを事細かに尋ねるので「そんなことまで知らない!」「怒らないでよ」「怒ってないよ!」
まあだいたいMさんとはこんな感じ。でも「手伝うよ」と言って早く来てくれたMさん。感謝してます。

宮崎学さんも遅れて見えて、最終回が始まる。
「最悪の文章は決意表明型の表現。事態を『こうしよう』と思う、その内部を書く必要がある」
ドキッ。『ナンパ作戦』は思いっきり決意表明型の文章だ。

「『究極の言葉』はどんな一言なのか、これはいいかも、これはやめておこう、とかを書いた方がいい」と言われる。
「はい。実践したら書きます」
ホント、早く試したいものだ。

宮崎さんに「桜井はもの書きになりたいんだろ?」と改めて聞かれる。本当に鋭い人だ。
「はい」と答えたものの、私に自信がないことを見抜いている。だから聞いたんだ。

「舟を出させる」と宮崎さん。受講生それぞれ本を出せ、企画書を持って来い、と言われる。
頑張らなくっちゃ。

引き続きグランカフェピクチャーズにて打ち上げ。高橋玄さんのスタッフで文章道場の担当、俳優見習いのTさんがコロッケやら焼き鳥やらを買出ししてきてくれる。Tさんはいつも気を使ってくれた。感謝。

今日はお仕事中の玄さんの事務所の人たちも打ち上げを手伝ってくれる。
皆は普通に「あ、どうも」なんてお酒を注いでもらっているが、その方は『CHARON』や『ポチの告白』にも出演している、ごく近い将来の国際派俳優なんだけど!

その笑顔が素敵な舩木壱輝さんにもお酒を、と思ったら「いや、車なんで」と困った顔をされてしまい、失敗。

数年前玄さんが撮影した秘蔵ヴィデオの鑑賞会。1本目は「宮崎学偽ドル札を追う」。
タイの偽ドルマフィアや、逮捕され裁判中だった田中義三氏の取材。放送されなかったがスクープ映像だ。

タイの大物マフィア?との宴会映像を見ながら
「こいつ、死んだな」「あ、この人も死んじゃった」と宮崎さんと玄さん。

今より何十キロも太っていた宮崎さんが、タイの路上を歩いている。
「暑そうな顔して下さい」と玄さんの声。ギッと眉をしかめる宮崎さん。わはは。演技してるー。

続いて「宮崎学大出版パーティー」の巻。全日空ホテルの大きな宴会場で、司会は大谷昭宏氏。
劇団『ザ・ニュースペーパー』が登場と、本当にゴージャスなパーティーで驚いた。
ザ・ニュースペーパーの政治家モノマネギャグよりも、角川春樹のコメントの方が笑えたのが可笑しかった。

ついでに電脳キツネ目組組員が多数出演している『突破者太陽傳』。私は10万円払ってこの映画に出ているのだが、玄さんがゆっくりヴィデオを回してくれても誰も私がどこに出ているのかわからなかった。くぅー。

宮崎さんが帰られて、私たちも帰る。余ったお酒やおつまみ、グラスはグランカフェピクチャーズに差し入れ。この程度しか返せなくて申し訳ない。それどころか『CHARON』の特別鑑賞券をお土産に頂いてしまう。

ああ面白かった!文章道場は本当に楽しくて、刺激的で、幸せだった。絶対これで終わりにしない。舟を出すのだ。

 住枝さんから電話があったので一人で『檸檬屋新宿』。皆は帰る。NANIOさんが車で送ってくれる。

車中で28日行った『EZ HEAVEN』に電話して本の忘れ物はなかったか聞く。太い声のオネエサマ。
「あらー、アナタ、緑の服着てた?まあ、本?なかったわ」
ううう。ところで私が一緒に帰った人は誰?と聞いてみる。
「あの方はねえ、Rさんよ。ウフフ」
沖縄の人らしい。やっぱりゴリだ。
「またいらしてねぇ」。うーん、確認してみたい気もするが、Rさんは嫌がるかもしれない。

 (Eさんではない)キツネ目組の人から留守電メッセージ。「本を貸していますが、真理さんにはもう会うこともないので宮崎さんに渡しておいて下さい」。
私は宮崎さんにお使いは頼まない。

それにしても貸したつもりの本を奪われたり、人の本失くしたり、なんだか続くなあ。
Y先生に「是非読んで」と言って渡された本はまだ開いていない。これも借りたのかもらったのかよくわからない。危険だ。

 檸檬屋には私が従業員を辞めるときに喧嘩した人が来ていた。今日も誰かとトラブルを起こしたらしい。

帰りにNANIOさんにメール。

「檸檬屋には大嫌いな人がいて、あんまりいい気分ではなかったけど、住枝さんに挨拶ということで。ホントせこい男と妄想女には参った2004年。」

癒し系のNANIOさんは

> お疲れさま(^-^)
> 今年は文章道場など、いろいろ頑張ってくれてありがとう♪
> おかげさまで、親分の仕事手伝える機会がもらえたりして、僕はかなーり得した気分♪
> 真理ちゃんのおかげです!ありがとう
>
> 住枝さんにも挨拶したかったんだけどご一緒できなくてごめん。なにしろ眠くて、少し仮眠とりたかったから…
> でも、なんか真理ちゃんは今年(も?)ホント人災の尽きない一年だったね(^_^;)
> ま、そういう星の下に生まれたと、開き直っていきましょう(笑)
>
> では、「なるべく」よいお年を(^-^)v

と返信をくれる。こちらこそ感謝です。文章道場も頑張って来てくれてありがとうございました。
2004年12月30日(木)

抱茎亭日乗 / エムサク

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