ギネス君?,映画『ウイスキー』,『MILLIBAR』

 ギネス君が「年齢不詳のオネエサン」と私に呼びかける。
「はい?」
「何歳なの?」
「何歳がいい?」
「ちゃんと答えて」
「答えたよ。初めて会った時に」
「覚えてない。もう一回教えて」
「45歳」
「嘘!」
「嘘だよ!因みに、さっき『今まで何人と付き合った?』って聞かれたけど、それも前に同じように聞かれて全く同じように答えたんですけど」
「嘘!覚えてない」
「ホント」

なんだ。私の答えに揺れがないか試されているのかと思った。
或いはいろんな女に聞いて、誰に聞いたか、答えを混同してしまったからとか?
「違うよ。そんな事言うな」とギネス君。
本当に忘れているようだが、大丈夫か?単なる飲み過ぎ?

来週ギネス君は29歳になるそうで。
「美味しいものを食べに行こうよ。何が好き?」と聞いたら
「伊勢海老、鮑、松坂牛」
「『スーさん』?たまには私がご馳走しましょうか?」
「伊勢海老、鮑、松坂牛」
「『レッド・ロブスター』で?」
よかろう。オネエサンが素敵なお誕生日ディナーにご招待いたそう。

 ウルグアイってどこの国?の無知状態で見た映画『ウイスキー』。
映画誕生から60本しか映画が作られていない南米の小国だそうだが、素晴らしい。傑作。
「まるでカウリスマキ」と言われているようだが、私はカウリスマキ嫌い。全く面白くない、笑えない。

『ウィスキー』は大変いい。30歳の学生時代からの仲間たちで作ったと言う感じはしない。
なんともいえない味わい深さ。静かだが、蛍光灯は「ジージー」いって、機械が鳴り響く。
空気は乾いているのだが、実は熱いものが秘められている。最後も良かった。

 『MILLIBAR』で晩御飯。
「明日は久し振りのお仕事で、大丈夫かな」と清野さんと話す。
今日から研修の予定が明日からになって、日数が減るのも痛い。稼がないと。
早く寝ればいいのに、4時過ぎまで。
2005年05月18日(水)

ギネス王子

 (昨日から続き)と思いつつ、掃除、洗濯。
「いつもきれいにしておくべきだろう」という彼の言葉も尤もなので。

 昨日は結局メールアドレスを聞きそびれてしまい、ギネス君に葉書を書く。

 20時前に電話。また「どちら様ですか」と言われる。
「昨日はゴメンナサイ。今日は忙しい?」
「もう飲んでるよ」
「掃除しました。準備万端整いましたので、お待ちしてます」
「池袋に着いたら電話する」

で、23時を過ぎても連絡がない。やられた。
24時を過ぎてこちらからかけても、呼び出し音は鳴っているが出ない。
24時半を過ぎて、やっと繋がる。
「忘れちゃった?」
「忘れてた」かなり酔っている様子のギネス君。
「お待ちしてますが」
「意地悪されたから仕返したの」
「じゃあ、来ないの?」
「眠くない?」
「全く」
「今、交差点」
「お迎えに上がりましょうか?」
「うん、多分辿り着けない」

 王子を迎えに行く。会うなり体当たりされる。

 家に着いたら、スーツを脱いで、バルコニーには出てくれず、換気扇の下でタバコを吸い、ばったり和室に倒れこむ王子様。
掃除のため上げていた、すのこベッドをセッティングするのも大変。
布団もシーツもぐちゃぐちゃなまま、王子様は爆睡。私は読書。

まあ、とんでもない我がまま坊やも機嫌は直ったようで。
しかしこんなことやってたらまた「お母さんみたい」とか言われそうだ。良くないね。
2005年05月17日(火)

『第18回日本陶芸展』,映画『受取人不明』,『スーさん』,ギネス王子!

 風邪は良くならず。薬を飲む。
おとなしくしていようかとも考えたが、18日から電話受けの仕事をすることになり、時間がなくなるので出掛ける。

 頂いた招待券があって『第18回日本陶芸展』を見に大丸ミュージアム。
大きな作品ばかりで驚く。
値段は出ていないが、すごい人のもあるようなので、とんでもない金額なのかしら、と思いながら駆け足で見る。

急いで新宿。19:00から韓流シネマ・フェスティバルの上映作品『受取人不明』を見たかった。
シネマスクエアとうきゅう着19:10。
予告なしで本編が始まっているという。予想外でショック。
迷ったが、チケットを買ってしまった。

キム・ギドク作品は1秒たりとも見逃したくない。もったいない。
でも私に明日はないかもしれない。だとしたらここで見ておくべき。
明日があったら始め10分も、またいつかどこかで見られるだろう。

新文芸坐でキム・ギドク特集やってくれないかな。全作品見たい。

 映画が終わって21時。
『檸檬屋新宿』に寄ろうかな、と考えるが風邪気味だし、慌てて家を出たからスッピンだし、財政も厳しいので帰る。

池袋駅を出て、土日に繋がらなかったギネス君に電話しようかな、でもケータイの電池が切れそうだな、と思っていたら向こうからギネス君が歩いてくる。
買い物に行くつもりだったとか。

彼も私に電話をしたとか。へ?履歴がないけど。20:22に?映画を見てたから電源切ってた。

ここで訂正。
5/3日記にドコモは電源切ってると着信を教えてくれない!と書いたが、auも同じだった。
留守電メッセージが入ってなければ着信があってもわからないのね。失礼。

「会えて良かったね。気が合うんだね」と言ったら
「気が合うなら始めに電話した時に繋がるはずだ」とギネス君。
「いえ、何かに導かれているのよ」と私。
電話が繋がらないと気が合わないなら、二人は全く気が合わないということになる。
彼は私が何回も電話をしていることを知らない。

嬉しい偶然ではあるが『受取人不明』を10分見逃すのと同じくらい悔しいスッピンでの遭遇。
「あんまり変らないよ」とギネス君は言ってくれるが、女としては大失敗の巻。

 だから今日も『スーさん』常連のおば様たちに「二人ともかっこいいわね、俳優とマネージャーみたい」と言われ、女優とマネージャーにはならない。
「大澄賢也に似てるって言われない?」とおば様たち。うーん、そう言われてみれば。
「じゃあ賢也君とルミちゃんて呼ぼう」
はあ。ルミちゃん…。
「お久しぶぅりぃねぇ♪」とか、ギネス君の年で知ってるのか?と思ったら「言われてました」。ほう。

メールは面倒臭いと言ってアドレスを教えてくれないギネス君だが、電話も繋がらない、葉書は時間がかかるだと、ストレスが溜まるのよね、と言ったら
「変なメール送るからやだ」
「変なメールって?」
「『殺す』とか」
「そんなの送らないよ!」
「100文字ぐらい送って、返事が5文字でもいい?」
「いいよ。面倒臭いなら電話でいいし、返事したい時だけでいいよ。私が伝えたいことを伝えられればいいから」
「わかりました」

2杯飲んで『スーさん』を出る。私の家の方向に歩き始めるギネス君。
「どこ行くの?我が家?禁煙だよ」
「節煙します」
「駄目。今日は困る」
「招かれざる客なんだ」
いや、掃除も途中のまま出て、掃除機も出しっぱなし、洗濯物もそのままだ。
スッピンの顔と同じぐらいマズイ。
「人を呼べる状態じゃないの」
「じゃあ帰る」
「私も一緒に帰っていい?」
「あなたはあっち」
「え?ホントに?」
「ホント。帰る」
「そんな、もうちょっと一緒にいようよ」
「やだ」

なんで?まさか、と思って後を追ったり追い越したり待ち伏せたりしてみたが、全く折れる様子のないギネス君。
耳元で「ばーか!」と言って私も帰る。ギネス君は追って来なかった。
我がままギネス王子!自分の思い通りにならないと嫌なのね。

それは私も一緒か。帰って掃除の続きをしてたら、ちょっと反省気分になり電話してみる。
「どなたですか。桜井真理?そんな人は知りません」と言われる。
「ごめんなさい。掃除したから、また今度来て」
「行かない。意地悪されたから」
「意地悪じゃないでしょう。仲直りしようよ」
「やだ」
「また遊ぼう、ね」
「知らない。いつかね」
「酷ーい。もう会わないの?」
「いつかどこかで会うこともあるかもしれない」
「いやーん。どうしたら許してくれますか」
「知らない」
完全に王子様の手中にはまったような気がする。こういうの嫌いなんだけど。

これでいいのか、この坊やは?私も、どうなんだ?
2005年05月16日(月)

『第5回 童謡まつり みんなで歌うと楽しいね』,新座,フランス料理『Arbre』

 10日にギネス君に会った翌日から喉に異変を感じていたが、本格的な風邪になってしまった。
ハワイ風邪が伝染ったか?薬を飲む。

13時から東久留米市の成美教育文化会館にて母のコーラスの発表会があるので見に行く。
遅れてしまい14時頃着く。
子供の頃の記憶にある成美会館とは全く変っていて、立派できれいな建物になっていた。

丁度第2部が始まったところで、出演者席にいた母が案内してくれる。
母は『童謡を歌う会』という高齢者の女性だけのグループで、『かなりや』、『月の砂漠』や、わらべうたメドレーなどを披露。
何故か母だけ濃い色のサングラスをかけている。頭は人一倍大きく揺れている。

ゲストで『少年少女合唱団みずうみ』が『ルパン三世のテーマ』とか『となりのトトロ』、『鞠と殿様』など。
子供だけかと思ったら、小学生から社会人まで女性5〜7人のアカペラで、うまくてビックリ。

「てんてんてんまりてんてまり てんてんてまりのてがそれて」の『鞠と殿様』を聞いて、幼い頃この歌詞と女の子と鞠の絵が描かれた枕を気に入って、隋分長く使っていたことを思い出した。

最後は客席も一緒に『どんぐりころころ』、『赤とんぼ』、『故郷』などを歌う。
なんで私がこんな歌を歌っているのか、不思議な感じ。

終了後、母の仲間にご挨拶。嬉しそうな母。

 母の若い頃のコーラス仲間2人も一緒に新座の実家へ。
2人には何年か前に会っているらしいが私は覚えていなかった。
母も久し振りに会ったようで、興奮してしゃべるしゃべる。

いつもの咳も出ず、絶好調の母。
サングラスをかけていたのはステージのライトが眩しかったかららしい。

母の友人が「好きな人がいる」と言ってるのに、母は「Tはどうかと思って」と散々T叔父の話。
お友達が質問をしても「いいから最後まで黙って聞きなさい」。
つまらない話なので「好きな人ってどういう人なんですか?」と私がお友達に聞くと、母は立ち上がって何かし始めて、人の話は聞かない。

お友達が「真理ちゃん、もてるんじゃない?」と言うと母が「もてないわよう!この子はオジサンばっかり!」と言うので、激怒する私。
『太古八』でも『おまた』でも今日も「この娘はオジサンとばかり遊んでいる」と人に言い、私が「20代の営業マンと仲良くしてる」と言っているのに、聞いちゃいねえよ、この女!

「なんで、違うって言ってるのに皆に『オジサンばっかり』って言うのよ!」
「だってそうじゃない」
「やめてよ!迷惑です!」
「そういう風に言われると皆にそう思われて、いやよねえ」とお友達が助け舟。
「思わないわよ」と母。
「思うだろ!お母さんが何度も言うから!」
「オジサンに好かれるっていう意味よ」
「オジサンじゃない!」
「あーあーわかりました。恋人は20歳なの。はいはい」
20歳じゃねーよ!
「いいわねえ、喧嘩が出来て。私は母が亡くなって一人だから、喧嘩する相手もいないわ。羨ましい」とお友達。

 清瀬駅まで歩いて4人でフランス料理『アルブル』。
南口、と言ってた母は「あら、ないわね。北口かも」などと言い出す。
頼むよー、家に電話番号置いてきちゃったじゃん、と思ったら「92-7800」と母が諳んじるので、3人とも驚く。

しかし、そこでも「言った、言わない、忘れた、知らない」の喧嘩。
「この子とはいつもこうよ」と母。
「楽しいの?」と聞いたら「楽しい」と言う。私は全く面白くないが。
「ふうん、楽しいの。じゃあお付き合いしましょう」と言ってあげる。スポンサーなので。

『アルブル』のフレンチは、清瀬とは思えない小粋さ。美味しかった。母、大絶賛。
ご馳走様でした、お母様。

しかし10日間に5日は会い過ぎだ。風邪気味もあってヘトヘトになって帰る。
2005年05月15日(日)

『池袋西武』,『BEAMS』,『PARCO』,『中国茶館』

 16時頃、母から電話。
T叔父と飲んでるらしく、酔っ払って「ケッケ」と笑いながら代わりばんこに電話に出て、ケータイがどうとか電子辞書がどうとか。
ケータイもろくに扱えない人が電子辞書など使いこなせるわけがないからやめておけと言ったのだが。
まあ幾つになっても新しいことに挑戦するのは良い事だと思うが、間違いなく「あんたにあげる」と言い出すと思われる。

しかし、昨日もかなり飲んでいた母、一昨日も明日も飲むはず。
明日はコーラスの発表会。大丈夫なのか?

 昨日の『檸檬屋新宿』イベントでも大忙しだったささきもと子さんと池袋で待ち合わせ。
近くの私が15分遅刻で申し訳ない。

『池袋西武』、『BEAMS』、『PARCO』などのバッグ売り場を見ながら打合せ。
二人とも午後に起きて空腹気味で、バッグよりも「何食べようか」の話になりつつ。

『中国茶館』で紹興酒を飲みながらバッグの話、ギネス君の話など。

バッグ作りは、一緒に工房に行ってみようという話になる。
目指すは機能的で個性的で上質でお手ごろ価格の革バッグ。
こういうのはなかなか無いんだなあ。
2005年05月14日(土)

『檸檬屋新宿』3周年記念イベント「このくにのヤミを斬る!」

 『檸檬屋新宿』開店3周年記念イベント、宮崎学・魚住昭・佐藤優氏によるトークバトル「このくにのヤミを斬る!」で、お店は身動き取れないほどのお客さんでいっぱい。

『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』を書いた佐藤優氏の話を聞くのは2回目だが、前回より表情が柔らかくなったように感じた。

外交政治上の裏話、国策捜査による逮捕時の検察官との生々しいやり取り、哲学的な話、冗談と、しゃべるしゃべる。
『国家の罠…』は大変な評判だが、今日の話は「本より踏み込んだ内容になります」とのことで、めちゃくちゃ面白かった。
当然本に書けないこと、ここでも言えないこともあるのに、それでもこれだけの内容というのが、すごい。

「私は検察に逮捕されたので拘置所には入ったことないんです」と佐藤さん。
「それは一回入ったほうがいいな」と宮崎さん。
そんなところで「勝った」と言ってるのが可笑しい。

日刊ゲンダイの二木啓孝氏も飛び入りでトークに加わり、検察やメディアについて、濃い話。

そんなお話を一言も漏らさず聞きたいと思うのだが、母が、元同僚で『檸檬屋新宿』のお客さんでもあるSさんを誘って来ており、多動の症状のように激しく動いて、私は気が気じゃない。
母がこちらを見たときに2回ぐらい「シー!」とやったら、今度はメモ用紙を他のお客さんを突いて渡し、注文を受けたりしている。

そして、あそこにあれを出せ、私にこれを、そこを片付けろと、住枝さんや従業員Mさんに言ったり、カウンターに入って手伝っているお客さんにタバコは向こうで吸えと命令したり、Sさんを叩いたり。
「話を聞けよ」と言いたいが、私は離れた席にいるため制御不能。
私にも「真理へ、周囲の方へお酒は何がよろしいですか?メモして下さい」などと寄越すので、「もういいから!静かにしてろ!」と怖い顔をしてみせる。

たまに話を聞くときは振り向いて「ウンウン」と激しく頷いて、しかし1分と続かない落ち着きのなさ。
ああ、母に声をかけるべきではなかった。

イベント終了後、母はSさんと別の店に飲みに行くと言う。早く行ってくれ。
しかしだいぶ飲んでいるみたいだが、大丈夫か?
佐藤さんに握手を迫る母、そんなことをしているのは母だけだった。
母が帰って、皆に謝る。
住枝さんが「手伝ってもらって助かったよ」と言ってくれたので、まあいいか。

講師の方たちは帰って、終電まで皆と飲む。
このイベントを企画してくれたテレビ屋さんに感謝。
住枝さんも皆に「今日はありがとう」と言い、非常に嬉しそうだった。

電脳キツネ目組のMさんに
「あなたの日記たまに読んでるけどさ、面白くないよ。肝心なことが書いてない。『遅刻した』と『何食った』ばっかりじゃないか」と言われる。
「面白くないですか。肝心なことって?」
「性生活」
「当たり前じゃないですか。なんでタダで性生活を公表しなくちゃいけないんですか。それはいずれ官能小説にして発表するんです」
「そりゃそうだな。じゃあ日記も金とって、会員制にしてもっと書けよ」
はあ。私の性生活が、商品価値あるのか?
Mさんは帰り際も「会員制やれよ、ホントに」と言って出て行った。

じゃあ希望者だけにメルマガ形式で送るか。しかし、私の相手になる人は嫌だろうなあ。
山分けにすればいいか?まさかね。
2005年05月13日(金)

ヌエボ・バレエ・エスパニョール 「FLAMENCO DIRECTO」,『おまた』

 昨日ミリバールで書いたギネス君へのメモはグチャグチャだったので、葉書を書く。
しかしギネス君には手紙はあまり効果がないようで、前に書いたカードも反応はいま一つ。

ギネス君のマンションに行ってみたら、エントランスに宅配便用のボックスがあった。
なんだこれに入れればよかったのか。
「ペパーミント水、必要だったら連絡下さい」と書いた葉書を郵便受けに。
これを読む頃には既にツルツルお肌になっているかもしれない、と思いつつ。

 『なすび』の常連Nさんがプロモーションをしている『フラメンコ・フェスティバル・イン・ジャパン2005』は、日本初のフラメンコ・フェスティバルで、今最も注目されているアーティストが来ているらしい。

その公演の1つ『ヌエボ・バレエ・エスパニョール』は初来日で、スパニッシュ・バレエとフラメンコの融合が見られる舞踊団とか。

本当は別に一緒に見たい人がいたのだが都合が合わず、またも母と。

先に着いた母がチケットを引き換えてくれたのだが、母は既に入場している模様。
引換所で「チケットはあちら(もぎり)でお預かりしています」と言われて行ってみるが
「こちらでは1枚も預かっていません」。
何度か引換所ともぎりを往復して聞いてみる。開演時間が迫る。
母のケータイは繋がらず。もう!

痺れを切らせて別のブースの机を覗いてみたら、母の字で私の名前が書かれたチケットがあるではないか。
「預かってるのはもぎりじゃないじゃない!」と引換所に言いに行ったら
「私はもぎりで、と申し上げたんです」
「ああ、じゃあ連れが、預ける場所を間違えたんですね」
「そうです」

まったく!と思って会場に入ると母が手招きしている。
「ちゃんと言われたところに預けといてよ」と会うなり文句を言う私。
「違うの!私もあっちに行け、こっちじゃないって、皆言うことが違って、怒ったのよ」
「そうなの?酷いね。でもそれだったらケータイで教えてよ」
「忘れちゃった」
「全然駄目じゃん!」
などと言っているうちにステージが始まる。

Nさんの言う通り、かなりスタイリッシュで洗練された演出だった。
今まで見たことのないフラメンコ、という感じ。素敵だった。

カーテンコールが鳴り止まず、興が乗ったバンドの人たちが順番にフラメンコのステップで踊り始めた。
客席も皆が盛り上がっているのに、無理矢理幕を下ろして終わらせる「東京国際フォーラム」。
お役所仕事だねえ。
今日のウイルコールのトラブルは主催者と会場、どちらのせいなのかわからないが、客のことを考えてない対応は通じるものがある。

母は、9日の歌舞伎の時と同様、頭を振り振り、激しく咳き込んで、かなり他の鑑賞者の邪魔になっていたと思う。
ダンサーの靴が床を滑る音のみの瞬間とか、全くの無音状態の場面でゲホゲホやってる。
隣の母の友人も心配していた。

終了後「のど飴は持ってないわけ?」と文句を言う。
「飴とか嫌なの」と母。
嫌でもなめろ。うるさいんだよ!と言いたくなる。
「休憩時間にうがいをするとか、対策をしてよ。明日は絶対やめてよね」
責め過ぎ?いや、母は鼻水をすすっている人がいると「すすってないでかみなさい!」と激しく攻撃する。これはお返しだ。

入口にNさん発見。「素晴らしかったです」と公演の感想、お礼と、ウイルコールについてクレーム。

 母と池袋『おまた』。ご馳走になる。母はおまた兄を相手に病気ネタ。
そして私に中古マンション購入を勧める。断る。
5月の予定のない日は2日間だけ、と母。大丈夫か?
そんなにぶっ飛ばしては夏まで持たないのでは。
2005年05月12日(木)

抱茎亭日乗 / エムサク

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