いつもの日記

2001年08月31日(金) 巨人

巨人はもう死んでいる。
滅亡している。

近年巨人はプロ野球史上に類を見ない程の大型補強をした。
最高に強引であって、最低に単純な手段で。
だがこの様だ。

巨人はもう死んでいる。
滅亡している。

ヤクルトに追いつけるはずが無い。
優勝なんてほぼ無理である。

バカしか本気で考えない大型補強は監督が長島茂雄だったから可能であったといえる。

長島茂雄は引退する時にこう言った。有名な言葉だ。

「巨人軍は永遠に不滅です」


そう願いたいのだろうが。

巨人はもう死んでいる。
滅亡している。

そもそも君が原因なのだが。
解っているのかね。

彼は引退する時こういうべきであったのだ。

「長島茂雄は永遠に不滅です」


それなら大きく納得である。
君なら必ず不滅です。認めます。
セコムも全力で君を守るでしょうから。



2001年08月30日(木) そうめん会議

そうめん会議はその日の昼に行なわれた。
基本的にそうめん会議は昼に行なわれる。
朝や夜には行なわれない。
みんなが基本的に昼が一番集まりやすいからだ。
私達の会社からは私とナガサワが出席した。

今までのそうめんの減り具合と残っているつゆの量と8月末という時期を踏まえて私達は
「1人1束・つゆ残し」
を主張した。
そうめんの残量はピーク時の半分くらいで、つゆの残量は指2本分くらいであったが、
つゆ残しは妥当といえる選択だったと思う。
でもなにせ私達の会社の出資者であるフクイが、ちょっと南国の島に1泊2日の羽を、
伸ばしているから思いきった行動が取れない事も一因としてあった。

会議は難航を極めた。
フクイはリゾートで楽しんでいる場合ではなかったのだ。
私は立ち上がり叫んだ。
ナガサワは机を叩いた。
フクイの車が当て逃げされた事などそもそも関係無かった。
私はメガネを取った。
ナガサワは上着を脱いだ。
フクイは南国の島へ行くと言ったが、車で行ける南国の島など何処にあるというのだ。
私はストレートを放った。
ナガサワはタックルした。
しかし会議は無常にも
「1人2束・つゆ完全使いきり」
という結果をもたらした。

つゆが入っていたビンはぴったりカラになり、もちろん捨てられた。
会長のフクイのためにそのビンを持ちかえリたいと主張しても無駄だった。
私達は泣く泣くそうめん2束を胃の中にほうり込んだ。
悔しさのあまりナガサワの口から嗚咽が漏れた。
僕達はあの時の悔しさをたぶん忘れないだろうし、あの味は絶対に忘れない。

そうめんはもともとは9束あったが4束減って残り5束になった。
私達はその5束になったそうめん箱をしっかりと抱え会社に持ち帰った。

午後からのお米会議は水の量が多すぎて決裂したらしいが、我々には関係のない事だった。

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2001年08月29日(水) 院試の打ち上げ

本日は院試の打ち上げがあった。

BBQの途中で原因不明で気分が悪くなり、研究室のソファーベッドで休憩することにした。

時刻は夜20時である。
私は少しだけ休憩を取るつもりであった。

が、しかし次に起きた時にはなんと早朝3時半であった。

約7時間30分の熟睡であった。ビックリした。
ピリ辛とんこつうまかっちゃんよりビックリした。
ビックリでは無くてドッキリかと思って何度も時計を確認しても正確な時刻のようだ。

なにせカメラが無いし看板が無いしヘルメットが無いからドッキリではないらしい。
もうしょうがないし世知辛いから帰るのよしてプログラミング。



2001年08月28日(火) 久々の 普通に日記で 非常ベル

茨木の贔屓屋で飲む。
メンバーはバイト仲間。
皆さんバイトへの忠誠心が旺盛で我々の店に関する参議、異議を激論していた。
それから道はいくらか逸れてなぜか非常ベルの話になり、タカハシさんが語った。
昔マンションに住んでいた時に非常ベルを押してしまってとても叱れたことがあると。

タカハシ少女は謝って非常ベルを押してしまった。
マンションじゅうにけたたましいサイレンが鳴リ響いた。
なんとか騒動が終了してからお母さんはとても怒って言った。
「ヨシコ!そんなところ押しちゃ駄目じゃない!
押しちゃ駄目って書いてあったでしょ!なんて書いてあったの!」
「'強く押す'ってボタンのところに書いてあった」とタカハシ少女は素直に答えた。

こんな最高のオチに私は心底参ってしまった。
だから今回の日記のオチが無いのはカンベンして欲しい。
こんな逸話の最高のオチの前ではどんなオチでも野暮になるからだ。

その後のカラオケではサワッチのチュ!夏パーティはとりあえず最高だった。
もちろん嶋田君の歌声は素晴らしかった。
とてもほんとに久々に楽しかった。あぁ〜よかった。



2001年08月27日(月) 小説6 777

彼女はサンドイッチを2つと生茶と焼きプリンを買った。
僕はそれらを丁寧に一品ずつバーコードスキャナーに通した。

レジを打ちながら横目で彼女を眺めた。
背は高くなくカジュアルな格好の彼女は、どこかしら僕を弾きつける魅力を秘めていた。
彼女は髪が長く少し背の低い女友達と一緒だった。
2人はそれほど見た目は変わらないが、背の高い彼女のほうが僕は気に入った。

「合計4点で777円です」

僕は商品を全て袋に詰めてレジを打ち終わり、合計金額を言った。

「きゃー、見て見て777!」

お気に入りの彼女は背の低い友達を叩いて言った。

「今日絶対なんかいいことあるわ」

気に入った彼女はほんとに無邪気に喜んだ。
そんな彼女を一層僕は気に入った。
みんなが嫌がるレシートを彼女は大切にきっちり受け取って「ありがとう」と言った。
そして、そのレシートを眺めながら店を出ていった。

そんな彼女を去った後を見ながら、自分まで幸せな気分になってしまった僕は、
しばらくの間ポワ〜ンとしていた。

いかんいかん。仕事をせねば。
と思い直した時に、商品が詰められた袋がしっかりとカウンターに居座っている事に気づいた。

僕はすぐにその袋を取って店を飛び出した。
気に入った彼女が777のレシートを気にし過ぎて、買った商品を忘れて行ったのだ。
100mほど走って彼女に追いついた。

「すっすみませんが。わっ忘れてますよ」

僕は息をきらしながら言った。

「あっ、すみません。ありがとうございます」

彼女はくいっと頭を下げて申し訳なさそうに言った。

「でも、さっそくいいことあったわ」


最後のセリフを彼女がどういう意味で言ったのか今でも解らない。
でも解らなくていいんだ。勝手にうぬぼれてしまうのは僕の悪い癖だから。



2001年08月26日(日) 小説5 日本指相撲協会

今日は休日だから茨木の私の家の近くに支部がある日本指相撲協会に訪問する。

知らない人には断っておくが、指相撲とは自分の親指と相手の親指を戦わせる遊びである。
日本指相撲協会は発足より今年で55年を迎えてますますいよいよ盛んである。
本部を東京渋谷に構えて、全国各地に300支部、会員も100万人はいるらしい。
なぜこの協会が発足したのかは現在でも専門家の間でも議論になっている。
今のところ戦後の復興のための競争心を駈りたてるために、
日本政府が政策の一貫として発足させたというのが通説となっている。

しかし、ついこの前テレビの討論番組で誰かが
「指相撲はアメリカが日本の外への圧力を内に逸らす為に持ち込んだのです。
  我々日本人はGHQの作戦にただはまっているに過ぎない」
と言っていた。
私は、ほう。そうかもしれんな。と感心してしまった。

ともあれ、ガラス張りで5階建ての茨木支部にお邪魔する。
私が1Fの受付のお姉さんに支部長の中山さんと会う事になっているんだと説明していると、
わざわざ中山氏がじきじきに1Fまで出てきてくれた。
「どうもはじめましてシバヤマです」
「こちらこそ支部長の中山です」
そして、がっちり握手。

のハズであったが、
その握手の瞬間に中山氏は、僕の親指を、自分の親指と人指し指の間にきっちり挟み、
したたかに数を数えた。当然早口で。
「・・・じゅう」
という中山氏の言葉を聞いて私はようやく現実に引き戻された。
「シバヤマ君甘いよ」と中山氏は言った。
「いかなる時でも気を抜いちゃいかん。この世はいつも戦場なんだ」
やはり支部長ほどになられるお方だ。
映画のタイタニック以来久しぶりに感動した。
素直にこの男をかっこいいと思った。
私はその場で即決で弟子入りした。
指がササクレで痛いことなど忘れていた。
痛みなどデカプリオと一緒に深海に沈んでしまっていたからだ。



2001年08月25日(土) リンスインシャンプーのリンス

(意味)
効いているのかどうか本当にわからない様。
かといって全くナンセンスというのも断言し難くかなり輪郭が曖昧な様子。

特別な用法として、
活躍が段違でバランスのとれていないお笑いコンビを批評する時に最近用いられる。

「君っていう人は、まったく―だね」
「爆笑問題の田中って結構―かもしれないよ」



2001年08月24日(金) マンションと石塀との隙間

今日も快晴である。
起きたのは10時であるからしてそれから散歩。
散歩というとチンタラ歩くイメージがあるからウォーキングとしておこう。

今日は北に向けて歩を進める。
私の家の北にはR171が走っている。
そしてすぐそばにそれと府道14号線と交わるところに茨木ICがある。
そのICの周りにはラブホが沢山ある。
なぜだかは不明だが、ICとラブホは切っても切れない仲だというのが彼の理論らしい。
散歩中だからそんなおじさんの言うことにはついて行けない。
すまぬ。

せっかく歩くのだから知らないところを歩いてみたい。
探求心・好奇心が旺盛なのだ私は。
しかし知らないところを歩くと行き止まりに遭遇する確立も高い。
この日も行き止まりっぽいところに遭遇してしまった。
退き返そうかと思ったが、また同じ道を帰るのも釈由美子。
思いきり攻めてみた。

予想通り確かに行き止まり。
でも退き返したくはなかった。
だから突き当たりのマンションの駐車場を抜けた。
マンションに隣接した一般の家の石壁とマンションには幅50cmほどの空間があった。
充分に人が通れるだけの空間であった。
その空間はマンションで太陽の影になっていて長細い闇を形成していた。
その闇は40mほどで終わってその先には光が指し車が通りすぎていくのが見えた。
私はイケルと思った。。
いや、行かねばならぬと思い直した。
学校の頃にやったかくれんぼのように慎重にその闇を進んでいった。
ミキヒト君に鍛えられたお陰でこういうのは得意なほうなのだ。
かくれんぼがこんなときに役に立つとはな。
私はほくそえみながらその闇をくぐった。
40mの闇から開放され光の中に再び立った時は自分の見とおしの良さを自分で褒めた。

しかし冷静になって考えてみた。
23歳にもなってこんな時間にこんな隙間をかいくぐっている自分って何者なんだろうか?
と疑問に思った。
その反面、私と同じように、23歳でありながら、
こんな時間にこんな隙間をかいくぐっている奴は世界に一人は居るだろう。
と勝手に思い込んで、そういう人達に共感を投げかけた。

こんなこと好きでやってる訳じゃないよね。
せねばならなかったんだよね。君らの気持ち解るよ。
と私は言った。



2001年08月23日(木) 友達の家

小学校からの友達である彼の家は瓦と壁がはがされ、それは見るも無残な姿になっていた。

僕達が小学や中学時代に、
バスケットや庭球野球をして遊んだテニスコートが2面は入る広々とした庭には、
時間を止められたように自然の赴くままに草が乱雑に生い茂り、
バスケットゴールはその中に倒されうもれていた。

その庭の奥には、はがされた瓦が積まれてあり、
小型のショベルカーとその彼の家と土地を買った山添電気の白いバンが止まっていた。
僕は庭を歩きながらこの状態にかなりショックを受けたが、
彼がこの家の姿をみて受けた衝撃を思うと胸が痛くなった。

あの頃のように彼の家に遊びに行って、正面玄関を開けて、彼の名前を呼んでみようと思い、
片開きのおごそかな扉に手をかけて引いてみたが開かなかった。

このぐちゃぐちゃに取り壊されて秩序のない姿とはうらやはらに、
しっかりと頑丈にカギはかけられていて扉を開いて彼の名を呼ぶことはできなかった。

「あの頃とは全て変わってしまったのだよ」

とその固く閉まった扉は僕にささやいた。

すべては年をとり変わっていくのだ。
年をとらずに変わらないのは思い出だけだ。



2001年08月22日(水) 小説4 サンガリア

散歩を始めた。
早朝約40分。
家の近くを4kmほど歩く事になる。

散歩をすると多くのことを発見する。
こんなところに炭火焼肉長寿苑ができている。
そんなところでおじさん達が住んでいる。
あんなとこには60円〜100円激安自動販売機がある。
ジュースが60円とは安い。
ほんとに安い。
しかし60円なのは甘ったるいサンガリアコーヒー190mlであった。
なっちゃんやジョージアは相変わらず100円である。
心底納得。
フムフムうなずく私。
けんちゃんとフムフム。

20分ほど歩いたので折り返すことにする。
折り返したところにおばちゃんが立って待ち構えていて缶ジュースをくれる。
ありがとう。
朝から補給係も大変ですね。
もらった缶ジュースをズボンのうしろポケットにしまってあとは帰るだけのウイニングラン。

川端通りのところで信号が赤。
はやる気持ちがもうはじけそうだが待つ。
小学3年生の女の子2人組の直子と香苗も信号を待っている。
彼女達の話す声が聞こえる。

「前に美喜ちゃんが野口君に告白したって聞いたやろ」
「うんうん」 
「あれどうなったか知ってる?」
「ううん。あれから聞いてないし、全然知らんわー」
「あれな。作り話やねん」

誰がなんのためにこんな恋バナを創作したのだ!
私は心から疑問に感じ、あたふたと視線をうろうろさせた。
すると気づいた。
彼女達の右手にはあのサンガリアコーヒー190mlが握られていたのだ。
そうか!これは悪の組織サンガリアの仕業だ。
狂ったデマを流して甘い言葉で純粋な子供達を囲い込もうとしているのだ。
多分この作戦を指揮しているのはサンガリア参謀長・山田雅人に違いない。
そうでなければあれほど多弁でごきげんに面白い彼が、
ここ最近わざわざレギュラー番組を減らす訳はないからだ。
サンガリアに毅然とした態度で対応していく事を心に秘め私はマンションまで戻った。

マンションの階段を登っていく私のうしろのポケットには、
もちろんサンガリアコーヒー190mlが入っていた。
サンガリアの作戦は甘ったるいコーヒーのように、いやらしく私にまで忍び寄っていた。


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