ぼんのう
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2003年08月25日(月) がこがこひりひり

両足ガコガコ
両腕ヒリヒリ

…山に登り、いつ帰っても、この二つに悩まされるよな…
御殿場口の砂走りで太股がパンパンに腫れ、シップを足全体に貼りまくる。
日焼けした両腕がヒリつき、アロエエキスを腕全体にたっぷり塗る。

いやあ…感慨よりも、この体の痛みが…。

そのような状況でも、夕方、出社する。

傘を杖に歩く。

バス停まで地獄を見た…。


2003年08月24日(日) 富士山最終日

朝3時にたたき起こされた。
この時間に起き、暗闇の中無理矢理登れば、山頂でご来光を仰ぐ事ができるというのだが、生憎我輩の背中が言う事を効かない。煎餅布団ならまだ救いはあるが、綿さえも石のように硬くなっていたため、背中全体に鈍い痛みが走る。幸い、昨晩のうちに葛根湯を服用したおかげか、高山病特有の頭痛はなかったが、背中の痛みで呼吸が別の意味で苦しい。
前日に予約した朝食をもらう。ベトベトしたご飯に佃煮が乗っかっているだけの内容であったが、空腹にはご馳走であった。
元気あるかないかは別として、山頂を目指す人が列を成していた。薄暗い中であるが、山頂に向かって、細長い光の列が出来上がっていた。ちっとも動かないところを見ると、相当の渋滞のようだ。我輩は結局、もう一眠りをして、山小屋でご来光を見ることにした。
布団に入ると、突然猛烈な便意を感じる。そのままトイレに直行して用をたしていたら、外から歓声が…でっかいクソをひねり出している間に、ご来光となったみたいだ。いやあ…我輩らしいと言えば、我輩らしいけどな…。
外に出ると、新しい太陽の光が、火山灰で痛んだ目によく染みた。富士山はこのご来光を仰ぐことに意味があるとよく言われているが、我輩として山頂までの残り距離の方がよほど重要な意味に感じられた。しかし晴れていてよかった…。

4時半過ぎに出発する。
登りよりも下りの人が多く、凄まじい渋滞となっていた。
富士山はやはり、登山を愛する人の為の山ではなく、過酷な環境にある観光地でしかない。登山での基本的なルールとして、登り優先のはずだが、下りの人が我が物顔で、浮石を蹴りながら降りてくる。危ないと思ったことは数回あったが、酸欠でいつもの調子はでないので、黙認。あと、タバコの吸殻を当然の権利かのように投げ捨てる連中も多かったな。
しかしこの渋滞、別の意味で助かった。山頂近くなると、3歩歩いても息切れがする。渋滞していることで、誰の遠慮もなく、堂々と休む事ができる。これはありがたい。

浅間大社奥宮前到着。日の出を見終わった人でごった返していた。軽く水を飲み、剣が峰まで歩みを進める。直前の急坂に足を滑らせながらも何とか登頂。お鉢を逆回りする人は、この坂に恐怖していた。あちこちで悲鳴が聞こえた。ここで異常発生…山頂まで行列。
山頂の印で記念写真を撮る為に並んでいるというのだ。なんと待ち時間は約1時間。諦める人がゾロゾロ…でもな、ここまで登って、証拠写真を撮らなければ意味はないんだよな。

会社でも今ごろ賭けているだろう。

 登頂する    500,000倍
 途中で挫折する    20倍
 高山病で死ぬ     10倍
 転落して死ぬ     5倍
 登らない       2倍


…「くのいち取り調べ」とかの企画を強行した人間だよ?我輩は?
「やる!」と言ったらやる人間よ!
邪魔する人間がいたら、殴るからな!

一緒に並んでいたうら若き女性と話す。彼女は友人達と来ていたが、全員途中で離脱して、自分一人でここまで来たとのこと。普段から水泳で体を鍛えていたおかげとも言っていた。うん、素敵だ。惚れたぞ、畜生。だが、ここは神聖な山の上。お互い写真を撮りっこして、別れた。

そのままお鉢回りをする。誰もこない金明水の井戸を開けようと思ったが、空気が薄いせいで、重石を動かすことができなかった。河口湖口の山頂付近はゴミの山。吸殻、空き缶、空きペットボトル、周囲からうるさい音楽が鳴り響き、山をバカにしきった連中が跋扈していた。…世界遺産にする前に、登山者を制限したら?…と思ってしまうな。

浅間神社奥宮でスコットランドの旗を翻し、OFF会会場を開く。
お一人様のみ登場。鉄人並の体力で、マラソン姿で登場。
色々書きたいけど、割愛。今度下界で飲みましょう♪


さて愈々下山。
御殿場口まで出て、下り始める。
ザレており、足を幾度ともなく滑らせるが、おおむね順調。途中の山小屋で甘酒を飲み、いよいよ砂走りまで…。

誰もいないんですけど?

下りる。
只管下りる。
まだまだ下りる。

空に飛ぶ鳥なく(マジ!)
下に生える草木もなし(大マジ!)

我輩は今
あの世とこの世の狭間にいる。
聞こえてくるのは、砂が舞い上がる音。
立ち止まれば、風はなく、完全に死が支配する世界。
この砂走りにいるのは、我輩一人だけ。
来世と現世に迷い込んだ魂。


…あれ?
でも、全然怖くない…。
いや、むしろ気持ちいい…。
我輩が死ぬとして、まず最初にこのような場所に立たされるのであろうか?
だとしたら、それも悪くはない。
仰げば、幽世の山頂は雲に覆われている。来た道を見せまいとする天の指図かもしれない。

しかし本当に、ここはこの世ではない。あの世でもない。
広い火山灰の荒野に一人…だが、一人ではない気配がした。
我輩の隣、我輩の遥か上。
感じる。


只管走った。
激しい筋肉痛に襲われながらも、バス停上の山小屋に到着。
井戸水を浴びるほど飲み、顔を洗い、火山灰をはらう。
最終バスに飛び乗り、御殿場口駅まで。
そうしたら、新宿直結のJR/小田急ロマンスカーがあり、切符を買う。
グリーン車しかなかったが、一人席だったので助かった。


多くの人たちの予想を大きく裏切り、我輩は富士山に登り、お鉢回りをし、無事に下山した。

感想は不思議とない。疲れたこと、空気の薄さ、筋肉痛の印象が強いままだ。

ただ、あの御殿場砂走りで、一人で下りながらも、複数の下りる砂音が聞こえていたのは、いまだに不思議に感じている。


2003年08月23日(土) 富士山登頂(二日目)

あー眠いー・・・
富士宮駅前発の五合目行きバスは7時20分に出るというので、朝食をとらずにホテルをチェックアウトする。登山において重要なのは、早くに発ち、早くに小屋までたどり着くこと・・・にしても眠いー・・・朝には強いのだが、昨晩食べたビビンパのせいなのか、それとも遠足前の興奮のせいなのか、寝つきが悪かったよお・・・。
なもので、ずーっと熟睡。

五合目間際になり、カーブが多くなったこともあって、目を覚ます。真っ先に眼に入ったのは

車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車

路上駐車の

列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列列

夜の吉祥寺で路上駐車するチンピラヤクザの車よりタチが悪いくらいに、思わず『なんじゃこらあ!』と叫びたくなった。
聞く所、富士宮登山口は、他の登山口と違い、駐車場の面積が非常に狭い為、自然、延々とこのような路上駐車のオンパレードガンパレードな光景が見られるという。

自家用車に乗って登る山なのか?富士山が世界遺産にならないのは、ゴミとかトイレとかだけではなく、このようなことにも原因があるように思えるんだけどなあ・・・。
それにここに車が止められているということは、富士宮登山道を下るということなんだよな?
・・・ガイドブックでの情報だけど、富士宮って、下りが地獄らしいぞ?(このことに関して、後ほど、そのような場面をたくさん見ることになる。自家用車に乗ってまで来るのはどーかと思うなあ・・・第一、登山における自由な楽しみ方がなくなってしまうと思うけどな・・・それとも、自慢の自家用車を見せびらかしたいのかな?)

何やかんやと思いをめぐらせると、いよいよ5合目に到着。トイレに駆け込み、用を済ませ、軽い準備体操をはじめる・・・

息切れする

二千メートルをとっくに超えてしまっているのだ。空気も薄い。登る前から凄まじい孤独な不安感を抱き始める。何せ登るのは我輩一人。サポートする者は誰もいない。励ます者もいない。調子を客観的に診てくれる同行者もいない。いくら人通りが多いと言っても、日本最高峰・・・高山病を患い、悪化すれば死ぬことさえも珍しくない。

うひー!軽い息切れだけで、登る前からマイナス思考がグルグル回ってしまっている・・・。もう登るしかない。登るのだ。全ては自己責任!集団よりも一人でいることのよさは、マイペース、そして他人に何でも依存してしまうという甘えが最初からないことでの、気持ちの引き締めがある。普段の我輩でも、そうではないか!甘えは一片もない生き方をしてきたのだ!いつもの生き方で、最初の一歩を踏み出せばいいのだ!


8:55 富士宮5合目出発
   思っていたより快調。多少ザレているものの、大変歩きやすい。
   軽い傾斜もあり、ちょっとした準備運動にもってこいの道だ。

9:30 新六合目到着
   急に腹がすく。山小屋に入り、朝食として天ぷら蕎麦を食す。
   インスタントカップ麺にはいっている天ぷらであったが、
   腹を満たすのに十分であるし、2500m超えている地点で、
   何を求めようか?

10:00 七合目小屋到着
   少しずつ富士山本来の姿が見え始める。
   道は大変険しく、空気も薄い。30歩歩いて1回休憩するペース。
   非常に気になるところだが、登山客の中に、どーしても納得
   できない姿をした集団を多く見かける。
   刹那的な快楽だけでしか生きがいを見せないような連中が、
   ゴムぞうりを履き、香水をプンプンさせて、GAPの袋に
   多分登山用品を入れて登っている。
   どこまで登るのか、見物だ。

10:40 八合目小屋到着
   雲の殆どが眼下にある。太陽光線が目に痛い。
   空気が明らかに薄くなっている。立ち止まって一休みするたびに
   ぜーぜーと息切れがする。
   当初予定していた以上のスピードで到着する。
   ただ、この山小屋、何ともいえない殿様商売をしている。
   休憩している登山客に、『金だせ金だせ!』と言い、
   トイレを使うと、『山頂まで我慢しろ!200円出せ!』と言う。
   銭ゲバな山小屋もあったものだ。
   この小屋では一本の水が500円。後で知るが、山頂と同じ金額。
   山小屋の後ろの方で、富士山を舐めている連中が、この小屋の
   呪縛に捕まってしまったのか、ダウンしていた。
   我輩の呪縛に捕まらないようにと、早めに出立した。
   少し登ったところで、下を見る。
   八合目小屋に向かって、近くにある巨石を押したくなった。
   ゴミ、トイレ、車以前に、あのような山小屋があるから、
   世界遺産になれないでいるのではないか?

11:40 おかしい、いつまで経っても九合目にたどり着けない。
   空気が薄すぎる。若い頃、奥穂高岳に登ったが、あれは
   山頂の部分までほんのわずかな時間でよじ登っただけであった。
   だが今は、同じような高さのところで、思い荷物を背負い、
   長時間登っている。道、甚だ険しく、心慰む鳥も花もなし。
   ・・・これは地獄だ。
   5歩歩いて1分以上休む。
   上から下山する人達が大勢いる。だが、登るに苦しい道は、
   下るには精神的にきつい道でもある。あちこちで、急傾斜に怯え、
   浮石ザレキに足をとられ転倒する者多し。
   登るも地獄。下るも地獄。
   なぜ登っているのだ?
   我輩はなぜ、一人で富士山を登っているのだ?

12:20 大幅に予定が遅れて、九合目山小屋に到着する。
   ここまで来ると、登山客は皆、それ相当の装備をした人のみ。
   カレーライスを注文し、食する。美味い。宿泊する小屋も
   おそらくカレーライスであろうが、それでもよい。
   この山小屋は先程とは比べ物にならないくらい、よい雰囲気。
   水3本買えば1000円というのも、良い。
   疲労困憊ではあるが従業員も感じよい。
   我輩の他に、外国人登山客の団体がいた。
   アラビア語を喋っている。
   空気薄い所でクルアーンを唱えるのも苦しいであろう。
   我輩も頂上で祝詞をあげると、絶対窒息してしまうかもしれない。

15:30 目的地の九号五匁山小屋に達する。
   最後のほうになると、3歩進んで2分休むという状況。
   宿泊費を支払って、酸素ボンベを取り出して吸引。
   だめだ。さっきから頭の後ろが痛い。高山病になってしまった。
   しかし今、泊まるべき小屋にいる。
   軽く一眠りする。
   就寝場所は噂どおりに狭く、布団も冷たい。
   あるルートで入手したアメリカ陸軍の防寒シートを取り出し、
   包まって夕食まで一眠りする。正解であった。
   夕食はやはりカレーであった。
   隣で寝ることになった3人組の会社員達と同じテーブルに座り、
   直ぐに仲良くなる。一人でいると、見知らぬ人の中でも
   入り込み、いつのまにか友達感覚にしてしまう。
   我輩自身、何ともイヤな才能かもしれない。
   消灯まで外に出る。
   真っ暗であるにも関わらず、登る人、降りる人。
   漆黒の宵闇にうずもれた山頂も、登る人の明かりでその位置を
   知ることができた。
   軽く背伸びをする。冷たい空気が鼻の奥に心地よくあたる。
   美味い空気ではないが、気持ちがよい。
   我輩はなんでこの山に登っているのか?
   これらを理由とするには、まだ早計だ。


2003年08月22日(金) 富士山行程一日目

夏期休暇を2日間行使し、愈々富士山へ向かう。
とは言っても、普段の運動不足が祟っていることから、無茶な登山計画は行なわない方針だ。我輩は普段からノーフューチャーな人間に見られているフシもあるけど、結構計画をたてて色々やっている。

第1日目)
 富士宮に入り、ホテルに宿泊。
 浅間大社でお参りをする。
 近くのコンビニで必要な物資を購入し、早めに就寝。

第2日目)
 早朝7時20分発のバスに乗り、富士宮登山口まで。
 ゆっくり時間をかけて、夕方4時までに9合5匁山小屋に到着。

第3日目)
 山小屋でご来光を見る。
 山頂まで登り、お鉢回りをして、10〜11時に郵便局で待つ。
 ここでKOI2氏のOFF会を開き、カップ麺を食う。
 その後、御殿場口で一気に下山する。


完璧だ。

山登りなんざ、十数年前の奥穂高岳以来。何事も慎重に、計画をもって登山をしなければならない。てなワケで、今日が第一日目。

三鷹からかいじに乗り、甲府を経由して富士宮に入る。
いやあ…JR、最近本当に良い仕事しているねえ…。
今朝から腹の調子が悪くて、かいじに乗ってスグトイレに入ったけど、便座クリーナが常備されているんだねえ…。この何気ない工夫が素敵だと思う。客車全体が小奇麗だし、なかなか良い。
で、途中で身延線乗り換え。
我輩は甲府に数回来た事があるが、この身延線は初めて。
我輩のように、登山の格好をした数人と、登山とは程遠いグループで程よい混雑。うーん…このグループは何だろう?すると、身延駅で下りた。

・・ああ、日蓮宗の総本山か。
我輩は日本史とっていなかったので、よくわからなかった。
それ以前に地理も一回落第点取った事もあるしな。

富士宮駅周辺は、普通の地方都市と同じ光景が広がっていた。
駅前のビルは、元々何かのデパートが入っていたのかもしれないが、閉鎖されており、寒々しい景色が広がっている。で、線路の向こうに巨大なジャスコがあったりするんだから、大体どのような経緯でこーなったのか、想像できる。巨大チェーンは強いよなあ…。
バスターミナルがあり、ベンチ周囲には富士山から下りたであろう登山客やら、合宿を終えた学生やらがいた。
静かな町だなあ…。なんかのんびり散歩したいよな…。
暑くなければな…

って、なんだよ!この暑さ!
武蔵小金井駅を出る時は、こんなに暑くなかったぞ!なんじゃあ!

暑さにうだりながら、予約したホテルにチェックイン。インターネットで予約した時、あちこちの投書では、

 「泊まるな!」
 「安いだけ!」
 「お前はすでに死んでいる!」

と酷評だったけど、我輩的には全然OK。というか、我輩は時々これらの投書を読んで思うのだが、6000円ちょっとの宿泊費で、こいつら帝国ホテルクラスのサービスとか求めているのか?!…と怒りが入ってしまう。2、30000円でこのレベルなら怒ってもいいが、安い金額で贅沢言うな!資本主義万歳!

荷物を置き、まずは浅間大社まで参拝。
思っていたよりもこじんまりとした神社であった。
富士山を崇拝する神社の大元にしては、驚くほど小さいというのが正直な感想であった。しかし、だからと言って貧弱ではなく、その逆で底知れない重厚にして優美な雰囲気があった。
思うにこの神社、建物のみで語られる造りになっているように感じられない。雲で見えないが、晴れていたら社殿向こうに聳える富士山が浮かんではじめて、この神社が神秘性が映し出されるのではないか…そう思う。

巫女さんが社務所で、暑さにうだっていた。
メガネだった。
少し萌えた。

さて、参拝も無事に終えたし、買出しに行こう。
えっと、コンビニは…


…ない?


一番良いのは、線路向こうに見えるジャスコ。
うーん…コンビニよりスーパーが近いのは、我輩が住んでいる小金井市に似ているではないか。

でも意外と良かった。
スーパーというより、何でも売っている大型店舗で、まだ購入していなかった物資を全部調達。必要以上のモノを揃えると夕方。2階にフードコートみたいのがあったので、入ってみると、何故かビビンパまである。


まさか富士登山前に、カルビビビンパを食うとは思わなかった。


2003年08月21日(木) 生きることはスポーツだ (おお?)

コナミの営業・T所長、メジャー事業部のTさん、今日は一日ありがとうございました。公開日記の性質上、何に感謝から割愛しますが、本当にありがとうございました。今後とも、よろしくお願いします。

来月から本格的に動きましょうかねー。


秋葉原を半日、背広姿&蝶ネクタイというお約束の格好で歩き回る。
息が切れない。
疲れも残っていない。
便秘が一挙に解消。
体重も1キロ減った。


いいかもしれない。


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