ぼんのう
DiaryINDEX|past|will
木村先生の韓国における保証人、李ヒョンニム(兄様)とマッコリ三昧。画材会社大手Tooの韓国法人に勤めれてらっしゃる方で、韓国の漫画事情に詳しく、チョンノ近くの地元民しか入らない居酒屋で、漫画事情を拝聴する(ここのじゃがいもジョンはひじょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーに美味しかった!!!!!)。
韓国では確かに漫画やアニメ、ゲームでの人材育成のための教育に力を注いできた。新村ではその手の学校は多くあり、郊外には研究施設も建てられており、テヘラン通りには一頃ゲーム会社やアニメ制作会社が軒を連ねていた。 しかし教育を終えた青年達は、漫画やアニメで生計を立てるのではなく、もっと実入りの良い広告代理店や商業イラスト、TVCMでのCG等、従来のマスコミ関係に就職するのが殆どであったとのこと。給料が良いという点、生活が保障されているという点(確かに自由業の漫画家よりは確実であると言えよう)、そして教育を受けたという自負から、漫画やアニメ、ゲームをどうしても低く見てしまうという文化的土壌から、産業の隆盛が見られなかったというのが現実だとのこと。 まして今、韓国国内は多様な理由から、長期的な不況から脱しておらず、安定性に欠ける職業よりも、現実的な選択をする割合が増えている・・・。
深刻な話だ。 我輩自身、国家援助による産業支援プロジェクトをうらやましいと感じていたし、もしかしたら日本は追い越されるのでは?・・・という危機感さえ抱いていたが、このような現実があるとなれば、昨日の本屋でみた状況にも頷くことができる。
ネットゲームが日本でも大変な人気を得ているが、一方で町中には、PCパンの代りに、PS2パンというのが流行している。一昨日行った竜山電気街でも、PCゲームを販売している店を見つけることが困難となり、PS2ソフトの店がズラーっと並んでいた。
しかし、だからと言って、日本のゲーム産業、漫画やアニメが安泰であるとは決して思うことができない。ゲーム産業自体、中古問題だけでなく、映画とのミックスへの勘違いから、消費者市場に歪んだ構造を持ち込み、衰退の一因となっている。
なんともやるせない気分だ。 李ヒョンニムの韓国での苦労もしのばれる。 呑みましょう。 マッコリを呑みましょう。 呑んで呑んで呑みましょう。

兄弟仁義を結んだあたりで、記憶を失った。
ソウルに着くと必ず寄る本屋・・・永豊文庫。理由は二つ。 一つは我輩の定宿である、ソウル観光ホテルに近いこと。 もう一つの理由は、漫画に関して、おそらくソウルで一番揃っていること。 というわけで、今回もここに来た。いつもと違うのは、東大門市場ど真ん中のホテルなので、地下鉄で来た。2年前に来た時、漫画売り場はここだったよなあ・・・あれれ? なんか受験参考書売り場になっている。どうなってるんだ? 店員に尋ねるのが一番だと思うが、「漫画売り場はどこですか?」の中で「〜オディイッスムニカ?(〜どこですか?)」は判るが、はてさて、「漫画売り場」って、どう訳するんだ? いや、それ以前の問題。 永豊文庫の店員の態度は最悪。
意地になって一人で探すことになったが、あっけなく新しい売り場を発見する。エスカレータで降りてスグ・・・
デカ!
売り場面積が一挙に
4倍!
しかも品揃えの95%以上が
日本漫画!
・・・昨日に続いて問いたい。 ウリナラの誇りはどーした!?
いやあ・・・でも本当に、日本の漫画ばっかり。 「今週の売上げベスト10」というのがあり、全部日本の漫画だったりする。一位は「鋼の錬金術師」。地元の女子高校生のグループが、キャーキャー騒ぎながら、最新刊を買っていく姿に少し微笑むが、同時に・・・
「韓国の国策・・・失敗したのかな?」
と、思ってしまう。 金大中政権で、漫画・アニメ・ゲームを国の産業にすべく、教育機関や研究施設をドンドン作り、人材を育成しようとしていたはずなのに、この売り場において、韓国人作家の手による漫画が殆ど見当たらない。
あれ?
「儺雨」もない???
あれれれれ? あれが目的で来たのに、なんでない? 最新16巻が出ているはずなのに? パクソンウ先生のが、ない? いや!あった! 「ZERO」ハケーン!
シスコン漫画逝ってよし!
それ以前に
日本をバカにする漫画逝ってよし!
なによりも
ビーチク省略漫画逝ってよし!
えーい! 店員に尋ねる! どうせ「大人が漫画を買うの?ふーん?」という軽蔑のまなざしと、最悪な接客態度に遭遇するであろうが、時間がねえ!
「ヨギヨ!『儺雨』イッスムニカ?」 「?」 「『儺雨』」 「ナ?」 「『ナウ』?」 「?」
どう発音すればいいんだ!
10回繰り返して、やっと理解された。 軽蔑のまなざしと共に・・・えーえー、わかっているよ。
・・・でもフト思った。 韓国で漫画産業があまり大きくなれなかったのは、漫画文化というのを社会全体が低く見ている所為ではなかろうか、と。 韓国は呆れ返る位の学歴社会で、一定の学歴を得た人間は、その学歴に相応しい職に就くのが当然とする風潮が、未だに強いらしい。大学を出た者は、役人になるか、大企業に勤めるかでないとダメであり、漫画家やゲームを作る人間等になるのは、愚の骨頂・・・
.........orz...........
まあ、いいや。 おお! 間違うことなく「儺雨」発見!しかも最新の16巻まで売っている!なぜか9巻だけないけど・・・まあ、帰国後、ハニル堂で買えばいいか。
にしても、 なんでこんなに埃かぶる下の段にあるんだい?
雑誌ガンガンの特別増刊(だっけ?)に、作者のパクソンウ先生の連載がある(全然知られていないが)。韓国の知人から、
「日本での評価はどう?」
と訊かれたが、率直に
「だめ。全然知られていない。」
と返したら、泣いていたな。
いや、それはそうと、「ZERO」が表に出ていて、なんで「儺雨」が影にあるんだ?いや、それ以前に、あまり人気ないのか?謎は益々深まるばかりにございます。
夜、チョンノでバーベキューポッサムを食う。 偶然、木村先生の韓国での保証人とばったり。 明日はマッコリだー!
2004年11月26日(金) |
日本海に何かフィルターでもあるんかい? |
二年ぶりにやってきました、韓国版東京ゲームショーKAMEX。知らなかったけど、このイベント、もう10回目だったんだね…一昨年は寂しい雰囲気が強かったけど、今年はどうだろう?
入口をくぐると、大音響!うん、TGSそっくりだ!でも流れているのは、ゲーム音楽でも、プロモーションムービーの音楽ではなく
ハウリング。
恐るべし、韓国! 機械不調でプロモーションとは、日本では思いつかないぞ! しかもハウリング大音量のまま、 直ぐには消さないとは…。 恐るべし、韓国! これは我輩のようなイルボン・チョッパリに対する攻撃の前触れかもしれない。
うわー!助けてくれー! 恐るべし、韓国! プレイできるゲームが全然完成していないのに、高さ4〜5メートルのオブジェを先に作り、我輩に襲い掛かり、インプランツ手術を施してウリナラマンセーな朝日新聞DNAを植え付ける作戦とは!(ちなみに、このオバカをやっている最中、地元の女子高生の大団体が大爆笑しながら、写真をバチバチ撮影していた。さりげないところで、日韓交流)…いや、違うと思う。
というか、見せられるゲームも何もないのに、なに?このオブジェ? 3ブース同じコンセプトで被りまくり。力技でケンチャナヨ精神を全面に出すとは、不覚を取ったわい。このPR展開で、「開発遅れているニダ」というのを隠したいのか?うーん…。
しかし、TGSと比較するとやはり規模は小さいのは否定できないが、ゲームショーらしい賑やかさ(マイクのハウリングを含めて)があり、わずか二年でこの変わりようには、正直驚いた。ブースはメタル調に区分けされ、大規模なスクリーン&ステージが展開してあり、パワーアップしているのは確かだ。 平日であるにも関わらず、学生の団体が多く見られた(高校生か、もしくはゲーム関係の専門学校生かもしれない)。ゲームに向き合う彼らの表情を見ると、楽しさに国境はないな…と感じてしまう。
いかん…我輩としたことが…なんと偽善的な発言をしてしまったのだ。
KAMEXで一番大がかりだったのが、グラビティー社の「ラグナロクオンライン」…会場の1/5を占めていたな。日本でも話題になっていた三次職のキャラが簡単に紹介されていた。
(その一部)
そして、これは我輩としても驚きだったのが、物販ブースがすぐ隣にあったこと。
「ROショップ」…
…一言…
少し、ひねりなさい
売られていたものを見ると、日本のそれと大して変わりはない。ポリン枕とかぬいぐるみとかあって、同じ所で作られているんかいな?ネタにはなら…
え?…
… これは…
…SDのアコ人形かな?…
ブサイコ
というか、何? 買って、本棚に置いたら、確実に呪われそうなこの 能面スマイル・・
すげえ… 日本海に絶対何か、フィルターがあるな…
あちこちにアコライトのコスプレしているコンパニオンがいる。アップ写真を撮らなかった事に強い後悔を感じているが…文章で説明しよう。
・気味悪いくらいにクルクル巻きのまつ毛パーマ ・近寄ると、独特の甘いムスク系香水の香り ・赤系のアイシャドウが濃い
…アコライトは清楚なイメージで人気のキャラだったはずなのに…
大久保の裏道を思い出す
軽い頭痛を覚え、少し離れた所のステージを見る。なんか、アココンパニオンが、抽選盤を回してのイベントをやっている。
なんかヘンだと思いませんでした?
ええ、我輩も思いました。
どこがヘンなのか、いっせーのせ …で指しましょうか? いっせーのっせ
ここで一つの仮説を立ててみよう。 韓国ビジネスでは、ゲーム等における人気のあるキャラクターに関して、売り出そうとはするが、大切に育てたり、イメージ乖離を避ける為の努力を行わないのか? 要するに短視眼的な発想でしか、キャラクタービジネスを考えていないということなのか? もしこの仮説が正しいなら、先ほどの人形といい、コスプレ衣裳の間違いといい、納得できる。そしてそれは翻って、トンチャモンにはじまる多くの劣化コピー商品展開へと繋がる…つまり、長期的なブランドとしてのキャラクターを作り育てるのではなく、人気があるうちに稼ぐだけ稼ごう!人気があるから、コピーして使おう・・という、前近代的なビジネスマインドがまだ支配的だというのか?
少し唸りながら、メインステージに何気なく視線を移す。
トマク?
裏でやっていた、「ラグナロクアクション」のキャラをモチーフにしているようだが、何ゆえ、生首がステージにあるんだ?気になってしばらく見ていたら、司会者が出てきて、何かを叫ぶ。観客の一部が手を挙げて、ステージに駆け上がる。次の瞬間、仮説が実証された。
(生首は着ぐるみで、着てお互いを棒でつつきあい、倒すイベントゲーム。)
「檀君の呪い」って、オカルト的なものではないような気がしてきたよ…
おまけ。 ギルメンから要望のあったROショップで購入した和服ソヒータンのTシャツの画像をうp。
購入する時、グラビティ社の社員達が五人くらい来て、
「これ、女性サイズしかありませんが、よろしいニカ?」
と心配してくれたけど、我輩としてはネタとして欲しい(とは直接言わず)ので、無問題!…と答えたら、非常に喜んでくれた。どうやら韓国では、この手のキャラグッズは、あまり売れるものではないと教えてくれた。 ついでに、ガンホに騙された、JCBのROクレジットカードを見せたら、奥から追加で10人くらいの社員が出てきて、感謝感激の握手攻めを受けてしまい、Tシャツの他に、たくさんオマケを押し付けられてしまう。
他社事であるが、一言申し上げる。
もう少し自信を持ちなさい。
おまけその2 今回のKAMEXは、TGSと同じ様に専門学校や大学の説明ブースが多かった。学生たちの開発したゲームも展示されていて、見ていて楽しかったけど、その中の一つ。
背景、TGS会場
お前等…ウリナラの誇りはどーした?
おまけその3 木村女史をホテルに残し、2年ぶりに竜山電気街へ突入。 国鉄竜山駅は一種のダンジョンで、一度駅に入ると必ず迷ってしまう魔境であるが、スペース9という駅ビルが出来上がり、完全にイメージチェンジ。 まず電車の発着ホームがわかりやすくなった。トイレが非常に綺麗になった。エスカレータもある。そして駅から出ると正面には
ガソダム!
変われば変わるもんだよな…。 ちなみに電気街で怪しいPCゲームを売る店が殆どなくなり、PS2一色になってしまった。もうあの怪しいダンジョン巡りもできなくなったのなあ…。
2004年11月25日(木) |
こーこーはーどーこーやー |
成田空港で今回の案内役を務めていたたく、漫画家の木村彩日香先生と合流。アシアナ航空の機内食は大変おいしゅうございました。最初からコチュジャンのチューブがついていたので、ご飯に満遍なくつけ、実際の味がわからなくしてしまうミスを犯したけどなー。大韓航空は希望者だけに小さいチューブを配布していたのに、アシアナは最初からであり、しかも量も多い。韓国の産業の特徴として、他社と比較して少しでも!・・・というところがある。まあ、どこの国の企業産業でも同じではあるが、極端すぎると人は言う。そこは国民性と文化の事。批判することはない、ただそういうものであると認識すればよいだけなのだ。
予定通りに仁川空港に着き、ソウル駅直行バスに乗る。今回は仕事の関係上、自分のPCをつなげられる環境を持つホテルにどうしても宿泊しなければならなかった。いつもの定宿はチョンノにあるホテルだが、今回は東大門市場にある去年できたワンルームタイプ(キッチン付)のホテルに泊まる。ADSLのケーブルも各部屋に敷設されており、地下鉄の利用にも便利、食事も周辺には安食堂が多いので安心・・・問題は、我輩として東大門市場という場所そのものに関して、あまり詳しくない。皮のジャンパーを買いに、チラっと来るだけで、あとは竜山とかチョンガクとか、江南のテクノマートに行くとか、そんな旅ばかりしてきたからなー。
それにしても・・・気のせいかな
ソウル、雰囲気随分変わった
まだ深くは認識できないので、なんともいえないが、外国とは感じられない。いや、韓国語の表示と会話、道路の流れが正反対なだけであり、
なんか、東京みたい。
・・・ああ。わかった。
誰もぶつかってこない。
いやそれどころか、
ぶつかったら、謝ってくる。
あと
ゴミをちゃんとゴミ箱に捨ててる。
それと
従業員とか店員とかの愛想が良い。
・・・最近の東京の方が、よほど5年前の韓国のような感じがしてきたよ。いかんなー・・・。
まあそれはそれとして、夕食をどうしようかと悩んで、タッカンマリを食べることに決定。確か東大門市場の近くに、専門店がズラーと並んでいる場所があったよな。地図、持って来ていないけど、勘で行けるかな?
(小一時間経過)
ミリオレのライトが恨めしい。
地図を持ってこなかった我輩らに問題があるが、それにしてもなー・・・
最終的にありつけたけどな。 あー・・・ウマーーー!
ついでに、お隣のカップルさんと友達になる。 彼氏の方はヘアスタイリストで、昨年まで2年間、大久保でヘアスタイリングの仕事をしていたとのこと。どうりで日本語が上手いと思った。彼女に「辛い」「美味い」等の日本語を教えていたのが、ほほえましい。 合流し、ささやかながらも楽しい日韓交流を行う。日本で働いていた頃が懐かしい等と、思い出話を聞かせてもらう。 焼酎が美味い。 初日から暖かい気持ちになれた。
東大門運動場駅のペの回転ポスターがなければな
うははははー 明日は韓国まで行くというのに、なーんも準備しておらんわー うははははー
でももういい加減、7、8回目なのか、どうにかなる・・・と思うものである。それにしても、時差がない国ではあるが、海外に出かけるのは2年ぶりだよな・・・正直な話、この日記を読んでいただいた方々も感じていらっしゃると思いますが、
脳みそ、便秘気味です。
海外旅行を贅沢だと考える方も、まだいらっしゃるかもしれませんが、同じ空気を毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日・・・呼吸していますと、思考パターンが停滞し、何でもかんでも後ろ向きに物事を考えてしまい、鬱になってしまうというものです。 気分転換の方法は、各自様々なやり方こそあるでありましょうが、我輩はやはり、日本以外の空気を吸うのがベスト!・・・
本当はお金と時間に余裕があれば、アイルランドとかドイツとか、いや、母国に一時帰国などしたいものであります・・・あー・・・。
帰国後の大きな山場に備えて、ギリギリまで仕事をてんてこ舞い。 急ぎ帰宅し、スーツケースに適当なものを詰め込んで、さっさと寝る・・・あー・・・明日は外の空気が呼吸できるよお・・・ たとえ 鼻毛ボウボウになるソウルであってもな いいんですよ。
|