一体誰なのか分かんないんですけどね、

ボクの友達だと言い張る謎の日本人男性と話していたわけですよ。

全裸で。

両肘ついて向き合って。

グラスは一つ。ストローは二つ。

全裸でムーディーにブクブクと。




新宿まで相変わらず愛車の「ハタケヤマ」にまたがって、せっせと走って行ったんですけどね

その謎の日本人男性、ボクが自転車でやってきたことに驚きの失禁をしているのですよ。

おどションしているのですよ。




「川口だろ？そこからきたの？」




ミュ？

途中下車してまで盗難してどうするんですか。




「マジで埼玉から？」




どこですか埼玉とか川口とか。

ボクが住んでいるのはサイタミア州カワグチシティですよ。

具体的な場所は個人情報保護法的にアレじゃないかもしれないので秘密ですが、

ややおおざっぱに言うと、もうね

なんていうかマルセイユからミラノに行く途中ちょっと寄り道すればあるわけですよ。

税関だの成田だのをちょっと寄り道するだけで、ホントあるのですよ。




カワグチシティって言ったらアレですよ、高級都市ですからね。

最も高級なカワグチシティランキング、ナンバーワンですからね。

夜中になると、飲み屋街ではいろんな国の言葉が飛び交う程に国際都市ですからね。

土の匂いがたまに漂う程のどかな高級都市ですからね。

家庭のお風呂に、ライオンのゲロゲロの給湯口の設置が義務付けられてますからね。

詰め替え用シャンプーはダーっと入れて、残りの絞るのを禁止してますからね。

つまりは、それほどまでに語り出したら止まらないのですよ。

なんかもうRomanticほどに止まらないのですよ。




だのに、なんですか埼玉県川口市って。

そんなところは知りませんよボク。

サイタミア州カワグチシティをそんな風に呼ぶなんて、無理矢理なこじつけですよ。

おかしいですよそんなの。

アンパンマンの顔が、新しいの焼けばお取替えできる程おかしいですよ。

イケメン俳優なのに名前が「もこみち」って程、なまらおかしいですよそんなの。




と、気持ち的には熱心に説得と説教を繰り返していたのですが

そんなことをひとつひとつ説明するのも面倒なので

そうだよ、と答えておきましたけどね。

まったく、オトナのリアクションを心得ているわけですよボクは。




で、その日本人男性が言うわけですよ。

「どれだけかかるんだよ。お前、バカじゃねえの」




まったく、これだからオトナのリアクションが出来ないやつは困るのですよ。

特別に今日は、カワグチシティに古くから伝わる言葉をキミに授けてあげますよ。

「バカって言う方がバカなんですー」と。




ちなみにこの友人は六本木という、なんか木ばっかり生えてそうな名前の街に住んでいるのですけどね

そんなところ全く知らないわけですよボクは。

もっと高級なところに住みなさい。