今日は午後から仕事をサボり・・2年ぶりに元彼女に会った。 俺的にとても好きな女・・少し寂しげな横顔が・・たまらなく好きだったりした。
会いたいと思った時に会わなければ・・それが俺の信念というか心意気というか。 とにかく今日でなくてはいけないような気がしたのだった。
うす曇の空・・やわらかな春の匂い・・彼女の揺れる長い髪。 ああ・・この気だるいような懐かしさを何と名付ければいいのだろうか・・。
俺は待つ。その僅かな時間に俺の胸は張り裂けそうになり・・散るように苦しむ。 来ないわけはない。きっと来る・・・でなければこの俺という存在が水の泡になるではないか。
俺は泡ではないよ。確かに弾け散っているかもしれないけど・・俺はきみの光る粒になりたい。
「姉さんごめ〜〜ん」彼女が遠くから手を合わせながら走ってくる。 その瞬間俺は・・ぷちぷちと消滅しつつ・・それでも僅かに男の余韻を隠し持ち・・ 精一杯の笑顔で微笑むのだった。俺はきみだけに会いたかったよとても会いたかったよと。
彼女の“美味しい顔”も好きだった。何を食べてもとても満足そうに頷くその笑顔。 野菜サラダを兎のように頬張る口元とか。スープを飲む時の喉のぬくもりとか。
俺は私的に幸せな時間を過ごす。もっと早く会うべきだったと後悔しながら・・。
「姉さん、今日は思いがけず嬉しかったよ〜」うん・・俺も。 「ああ・・もうお腹一杯すごい幸せ」うん・・俺も。
「会えて良かったね」うん・・俺も。 「また会おうね!」うん・・・・・。
彼女は4月で41歳。それまでには結婚しそうです。 彼は33歳。ながい春でした・・。「よく待ってくれたね」って彼が言ったそうな。
「まだ赤ちゃん産めるよね?」って心配そうに聞くの。 「大丈夫だよ!絶対に産めるって」励ます俺なのか姉さんなのか分からない私。
そしたら・・その赤ちゃんを抱っこしてる彼女とか「抱かせて」って言っている私とか・・ 明るくて微笑ましい光景が目の前に浮かんで来た。
「ありがとう」と手を振って別れる。その手のひらがきらきらと光る午後・・・
私は・・光る粒になれなくて・・・ 彼女が光る粒になった。
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