まるで初夏のような陽気。少し・・日焼けしたみたい。顔が火照っている感じ。 おかげで桜は満開になった。そして少しだけ散るのを見た。ひらひらと儚げに。
早朝より川仕事に出掛け、終る頃には汗ばんでいた。やっぱ寒い方が好きみたい。 なんだかいつもよりずっと疲れた感じがした。しんど・・・って思った。 作業場まで戻りジョージアの冷たいのを買う。その時・・携帯が鳴り出して・・ ふぅ・・誰だろうって思ったらお父ちゃんだった。私のほんとうのお父ちゃん。
二日続けて私の夢を見たそうな。なんかあったんじゃないかと心配してた。 10年以上会ってないから・・夢の中の私って若いよね?うん・・それはいいこと。 「別に変わったことないよ。でも今はちょっとしんど・・・」ぽろっと本音が出てしまう。 無理するなとか言ったりして優しいお父ちゃん。会えるなら会いたいな・・と思った。
電話を切ってから一気に元気が出て来た。いつものペースでどんどん作業をする。 お花見・・そうだ・・今日はお花見に行こうと思った。早く仕事やっつけちゃえ。
お昼ごはんを食べてからすぐに出掛けることに。歩いてすぐ近くにしようかそれとも。 少し迷った挙句・・やっぱクルマで出掛けることに。山寺・・山寺に行ってみよう!
市内を見下ろす山の中腹にその寺がある。道路から見上げたら期待通りのピンク色だった。 わくわく・・すごく嬉しい気分。こころが・・動いているのが分かる。目指している場所。
思いがけず風が強くて竹やぶの間の小路は・・ざわざわ。山全体が蠢いているような。 わくわくを通り過ぎてドキドキしてきた。何かに待ち伏せられているような微かな緊張。
ひらひらと桜舞う・・ピンク色した雪のように花びらが風とともに舞っていた。 胸がきゅんきゅんしてくる。誰を想うわけでもない・・無意識のうちにそれを感じる。
ながい石段を登る。一歩一歩・・見上げる空は桜色。
本堂でそっと手を合わす。水子地蔵の前で立ち竦む。ああ・・またそこでは何も出来なかった。 いつ来てもそれが出来ない・・だからいつまでも引き摺ってしまうんだと思った・・。 まわりに人が居る。ただそれだけの理由で・・私はそれと対峙することが出来ない。
気を取り直して境内を歩く。見上げるばかり・・何も物思うことはないではないか。
桜と桃が・・・重なり合って咲いていた。
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