| 2003年11月06日(木) |
いちばん会いたかったひと |
やっと父に会うことが出来ました。11年ぶりのことです。 別れてから27年・・会ったのは・・これで二度目ですが・・。
弟が心配していたような「とても痩せた」という様子は、私にはよく分からない。 それだけ会わないでいた歳月が長過ぎたのでしょう。 とにかくすごく年老いていましたが、元気といえば元気そうで・・。 ひっきりなしにしゃべるのです。それはとても嬉しいことでした。
今日がちょうどお誕生日。もう74歳だそうです。忘れていた父の歳。 会うなら今日しかないなと思っていたから、会えてほんとうによかった。
ちょうど・・仕事関係の資格試験があって父の住む町へ行く日だったから。 駅まで迎えに来てもらった。おんぼろのサニーで来ました。笑顔で。 そしていきなり財布から一万円出して呉れるんです。 お誕生日なのにあべこべですよね。お小遣いもらったの高校の時以来だ・・。
喫茶店で近況などあれこれ。病院へ行くように勧めても絶対にうんと言わない。 行くなら歯医者さんだそうで。歯が抜けてしまって食べるのが不自由みたいで。 だからなのか・・だから痩せたのか。この場はそうだと認めてあげることにした。 コーヒーを飲んでいる手元が・・とても青白くて気になったが・・。
従姉妹の話になって、すぐ近くのパン屋さんで働いているそうで。 ちょっとだけ会いに行くことにした。大好きだったM姉ちゃん。 「みか〜〜」と私の名を呼ぶM姉ちゃんは、昔とちっとも変わらない。 色が白くて綺麗で・・それはすごく懐かしくて。涙が出そうだった。 たくさんの不義理を詫びる。どうしてこんなに長いこと会わなかったのだろうと。
「試験がんばりよ!」と父に励まされて試験会場へ。若いひとばかりだったけど。 おばちゃんなりに頑張ってみた。大丈夫・・合格ライン75点だから。 これに合格すれば・・未来が拓ける。会社が潰れても自宅で仕事が出来るから。 まずは一歩の気持ちで。とにかくやり始めないと・・不安ばかりが募るのだから。
ふぁ〜やっと終った。父がまた迎えに来てくれていた。 駅までの道のりがとても短く感じる。ほんとうにつかの間の再会だった。 話さなければいけないことが・・もっともっとあるはずなのに。 これが最後なのかもしれない。そんなことは決してないと頭を横に振るようにして。 笑顔で手を振って別れた。元気でいてねお父ちゃん・・またきっと会おうね。
列車に揺られながら灰色の海を眺める。 父の顔が・・M姉ちゃんの顔が・・刻むように流れ出していく。
ほんの二時間ではないか。たったそれだけの距離ではないか・・・。
会うことを躊躇い続けた歳月が・・とても愚かに思えるのだった。
血は決して切ることの出来ない縁である。
|