昼間すごく嬉しいことがありました。心がすごくほかほかになった。 仕事が午後から研修会やって。それがほんの一時間で済んだから。 もう会社に帰らんでもええし。わ〜い儲かったの気分やった。
そんで。すぐ近くに昔よく行った喫茶店があったから。 ちょっと久しぶりに寄ってみようと決めて。さっそく行って見ました。
そしたら。誰もお客さんがいなくて。ママがびっくり顔で奥から出て来て。 その時の笑顔。満面の笑みやね。久しぶりやし。よう来てくれたねと言って。 ブラックコーヒー飲みました。ここのコーヒーは美味しいからそれがいいです。 そうして味を確かめる。うんうん・・ちっとも変わってなくて嬉しい味やった。
いろいろ話しました。不景気で大変や・・とか。亡くなったご主人のこととか。 私も・・父のこと話したりして。それがすごく親身になって頷いてくれて。
実は。この店のママは。うちの夫君が10代の頃からお世話になっていたので。 ほんまに手のかかる子やったよとか言うの。いっつも心配かけていたって。 そして・・今でもその頃のこと忘れないで。時々顔を見せてくれるから嬉しいって。 他の子はもう誰も来ないけどね・・とか。淋しそうに言うのだった。
「ひとって。親切にしたことは覚えているけど。されたことは忘れるらしいよ」と 私は言ったけど。ふたりで顔を見合わせて「それは・・あまりに淋しいね」って。 笑った。だって・・忘れたのなら仕方ないもん。そんなもんやねと笑い合った。
でもケンジは忘れてないから。そう言いながらママは自慢の子供を褒めるみたいに。 だから・・私もすごく嬉しかった。人情とは・・ひとってそうであって欲しい。
若い子達がたむろしていた頃。お金なくてもご飯食べさせたり。 成人式にはネクタイ買ってあげたって。恋愛沙汰まで面倒見たんだよって。
ついこの前のことみたいに話す。そして笑った。もう大昔の事やねと。
私は「風邪ひかんように 元気でやりよ」って。まだまだ話していたかったけど・・。
ママは駐車場まで一緒に出て来て。うるうるした目で「ありがとね」って言って。 私がクルマをバックさせてる時も。そして交差点に向かっている時も。 ずっと手を振っているのだった。なんだか今生の別れみたいな顔をして・・・。
すごくすごく心が熱くなる。ああ・・会いに来てよかったなって思った。
今日はとても嬉しくて・・とてもいい日でした。
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