今日はまた。風がやたらと吹き荒れて寒いような。 けど太陽はもう冬ではなくて。風さえなければ春の一日でした。 風の匂いにはっとします。なんだか懐かしいような匂いです。
お遍路さんが職場の前の道を通り過ぎていきます。 最近はすごく若いお遍路さんが多いです。 颯爽と風を切るように歩く姿とか。なんか惚れ惚れと見とれてしまう。 峠を越えて。目指す目指す道のりとか。遥か遠そうで真っ直ぐな道なんだなと。 何かを達成しようとする『ちから』ってすごいなってつくづく思う。
お昼休み。このところずっと父の遺してくれた本を読んでいます。 そして眠くなったらうたた寝をします。ねむの木の下のクルマの中です。 私は。いつも蛍光ペンで線を引きまくる癖があって。 父の本も。あちこち自分なりに汚しては。その汚れを大切にしています。
実はこの癖は父親ゆずりなのでした。父は赤いボールペンを好んでいたようで。 「あっ・・ここも」「あっ・・まただ」と可笑しくなるくらいで。 その上を今度は私が汚しています。同じ箇所です。どうしてもそこになる。
『枯木開花』とかあって。冬はすっかり枯れたように見えても春がくれば。 自然は花を咲かせてくれる。とかです。そして散る。そして枯れる。 ふむふむ・・そうだねと頷きながら。次の箇所。 それは。この世に変化しないものはなく、すべては移りゆくものである。とか。
なんだか心の奥深い所にすんなりと滑り込むような言葉でした。 同時に。その滑り込む瞬間の痛さ。すんなりなんだけどずきりとして。 その痛みにはっとするのです。そうなんだ・・すべてそうなんだと思って。
そして・・ねむの木を見上げたら。涙がいっぱい溢れて来ました。 なんておまえは淋しげに骨のような身体で。ただ風に震えているのだと。 あの可愛らしいピンクの。鳥の羽根のような柔かな微笑を。 忘れているわけではあるまいに。寒くはないか?悲しくはないか?
そのページに手のひらを挟み。自分の息の音と風の声を聴きながら・・・ どこかに吸い込まれていくように。私は眠りました。
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