風薫る五月というけれど風ってほんとに薫るのだなって思った。 若葉の匂いだろうか花々の匂いだろうか、なんともいえない良い薫りがする。
初夏のような陽射しの中をそんな風が吹き抜けていく。 しんこきゅうをすれば自分も風になれるような気がした。
きらきらとまぶしい空。爽やかな風は天からの贈り物。
やっとこさ、川仕事が一段落する。 海苔の収穫が終わり、後は漁場の撤収作業を残すのみとなった。 なんだか気が抜けたようになりながらも大きな達成感を感じている。 こつこつと頑張ったかいがあった。なんとも清々しい気持ちでいっぱい。 私たち夫婦にとっては天職なのだろう。天から授かった大切な仕事。 どんな時もあるけれど精一杯の二人でこれからもいたいなと思った。
「おつかれさま」「ありがとうね」夫の背中はいつもたくましい。 以前は一人で出来たことも今では夫がいないと何も出来なくなってしまった。 それだけ夫を頼りにしている。労わる気持ち、感謝の気持ちでいっぱいだ。
お大師堂で手を合わせながらこの三ヶ月をしみじみと振り返っていた。 お大師さんもずっと見守ってくれていたのだな。ほんとにありがたいこと。
最初はすごく不安で弱気になってしまった時もあったけれど いつのまにかそんな不安を乗り越えていた。 「なるようになるよ」ってお大師さんが励ましてくれたような気がする。
そういつだって明日はあしたの風が吹いてくれるのだもの。
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