ほんのりと金木犀の香りが。
どこかなどこかなとついさがしてみたりする。
ばたばたと忙しい一日、秋の香りにほっとこころを癒されていた。
娘たちとの同居からそろそろひと月が経とうとしている。
それはほんとうにあっという間の日々だったけれど
生活のリズムというのかずいぶんと慣れてきたように思う。
芽奈が生まれてからずっと綾菜の保育園を送り迎えしている。
その道中の楽しいこと。いろんなおしゃべりの花が咲いている。
帰り道には特にその日あったことを嬉しそうに話してくれるのだった。
運動会も近くなった。「よういどんしたよ」なんてね。
そうしてそのままお大師堂にお参りに行くのが日課になった。
お堂の扉を開ける時、「おだいしさん、あやちゃん来たぜ〜」と大きな声。
ついこの前まで「おだいししゃん」と言っていたのがちゃんと言えるようになった。
まだ「なむだいしへんじょうこんごう」は言えないけれど
「こんごう、こんごう」と言ってちいさな手のひらを合わす。
帰る時にはお供えのお菓子をひとつもらって大喜びしている。
「おだいしさん、お菓子ひとつちょーだいね」って言って。
ゆったりと流れる川面を眺めながら手をつないで帰る。
なんて平和なのだろうといつも思う。ちいさな手のひらのあったかいこと。
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