少し汗ばむほどの小春日和。ほんわかほんわかと過ごす。
昨夜は娘が出掛けていたので芽奈と一緒に寝ていた。
夜中に何度も目が覚めて確かめるように寝顔をのぞきこむ。
今日は父の命日。早いものでもう13回忌だった。
未だにお墓も作ってあげられなくて
父の遺骨は弟の家でずっと眠り続けている。
お大師堂で常連のお遍路さんWさんと再会する。
もう高齢のお遍路さんで、会うたびに父の事を思い出す。
不思議な縁で父の命日に会うのは今日で二度目だった。
父の事を少し話す。とてもとても話しきれないことだけれど
どんなにか孤独でどんなにか心残りだったことだろう。
真剣なまなざしで私の話を聞いてくれたWさんが
「お父さんが会わせてくれたご縁だから」と言ってくれる。
そうして13回忌のお経を唱えてくれると言ってくれた。
若い頃にお寺で修業をしていて僧侶の資格を持っているのだそうだ。
思いがけずになんとありがたいことだろう。
涙がほろほろ出そうになるのをぐっとこらえて微笑みに溶かす。
お父ちゃんよかったね、ほんとにほんとによかったね。
おかげでずっとずっと心に突き刺さっていた棘がぽろりと抜けたような。
なんという清々しさだろう。こんな日を頂けるなんて夢にも思っていなかった。
「ひぃじいちゃん、なむだいしへんじょうこんごう」
綾菜が手を合わせてくれて父の遺影がにっこりと微笑んでいる夜。
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