信じたいから
どうしても不安でしょうがない。
部屋に入った直後、借りてきた猫のように
落ち着かない、戸惑った表情を浮かべていた。
同じ話を蒸し返す。
あの人の話になると、ようは必ずかばう。
かばってるつもりはない。
一緒になって否定すればいいの?
でも、それは私のプライドが許さない。
私が選んだ、これまでの道のりを否定することになる。
肯定すれば、あなたといる理由がわからなくなる。
昔、よいところも悪いところもあると言って
私を悲しませたのと同じ。
同じ目にあえばいいとは思わないけど
悲しませたのは、ごめんなさい。
私はどうすればいい?
どうしたら信じてくれる?
今すぐに仕事を辞めて、
またどこかに引っ越せばいいの?
以前のままのあなたなら、私は戻らなかった。
変わったから、戻ろうと思った。
話しているうちに、抑えられなくなり
声が大きくなった。
自分に落ち着けと言い聞かせ、声を落とす。
せっかく二人でいるのに
ほかの人の話で、気分悪くなりたくない。
やめよう。
何度も話をした。
ようが一人で選んだ部屋ならよかった。
玄関を入ったとたん、帰ろうと思った。
あのとき、大阪にいてもらえばよかった。
呼ぶんじゃなかった。
私が大阪にいても、あなたは変わらなかったはず。
本当に苦しかった。
疲れているのに、横になると心臓が踊ったから
座ったり立ってたりして、動悸を鎮めた。
本当に、信じていいの?
同じことを私も聞きたい。
一緒にいる時間はいい。
でも、離れると、ようがまたあの人に
戻ってしまうかもしれない。
繰り返し愛を囁き合っても
一緒にいられるようになるまで
不安は波のように繰り返し打ち寄せる。
信じたいからこそ。
2005年02月04日(金)
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