幸せそうな風景に
息子から聞いていた、今の「家族」のヤフオク情報。
お正月に息子が目の前でログインしていたIDを思い出した。
パソコン音痴の元夫が、パソコンを持ちオークションまでしていると
知ったときは驚いた。
IDは元夫が会社を作ったときに、私が提案して決めた社名。
バカにしていると感じた。
倒産したくせに、まだ会社にこだわってるのかと笑ってしまった。

IDの登録は2年前。
ヤフオク用に作ったようだ。
ほんの出来心で、どんな取引をしているのか見てしまった。
100以上ある入札履歴。
出品の多くは男児用、女児用の衣料、おもちゃ。
今、同居している女性がメインに使っているのがわかる。

こんなものまで出品してるのかと驚く。
時代なのかもしれない。
買い手があるのが不思議なくらい汚らしいものまで。
私は息子の着られなくなった服は、友達に譲るか捨てていた。

出品リストを見ていくと生活感を感じる。
私が図面を引きなおし、一から作ったあの「家」で
私が残した気配に動じることなく暮らせる無神経さに驚く。
息子が居場所を確保するために、毎週帰宅する悲しみを感じる。

一見するとありきたりな家族。
父親がいて母親がいて、私の息子が長男で、女の連れ子がいる風景。
気づかないのは本人たち。
周囲の噂は耳に入らないよね。
私はこんなに遠くにいるのに知ってるのにね。

皮肉な私。
息子を不憫に思う私。
息子を置いてきた自分を、今さらながら責める私。
「幸せ家族ごっこ」をしている元家族を妬む私。

一番強いのは、私はずっと一人だということ。
これからも多分。
どれだけ愛していも私はずっと一人。

離婚間際、家族と暮らしながら独りを感じ
それならいっそ一人になったほうがましだと思った。

あれから何年も経つ。
また独りを感じる。

オマエたちのしてることを世間が知ればどうなるか。
恥晒しな真似をして、それを是とする親の元で育つ息子。
私は許さない。
オマエたちがやったことは生活の知恵じゃない。
れっきとした違法行為だよ。

正義感からじゃない。
自分勝手な恨みと妬みだ。

こんなドロドロした気持ちは、おしまいにしたい。
楽しいことだけ考えて、前を向いて楽しめるように。



2006年04月17日(月)

初日 最新

Copyright(C)2004- you All Right Reserved.