長く
去年彼としたように、食材を買い、そして作る。
一人のときも作る。
何度か外でも食べたけれど、あれだけ食料の買出しが嫌いだった
私が、雨の日にも買いに行く。
結婚していた最後の数年でさえ、私は宅配してもらっていたのに。
独り暮らしを始めてから、部屋のために何も買わなかったのに、
ここでは毎日買い物をしてしまう。
部屋数が増えたせいだけじゃない。
なんでもありあわせで間に合わせていたことが嘘のようだ。
シンク下の棚、タオル、鍋、食器など生活感溢れるものばかり。
毎日、新聞を読むなんて何年ぶりだろう。
この私がガス警報器をつけるなんて不思議だ。
今月は職探しをしないと決めた。
そんな矢先、なんとなく目に付いたところに電話をする。
尋ねたいことがあったから、彼に電話してみるだけすればいいと言われた。
先方は、私の質問に答えながら、なぜか面接の日時を熱心に伝えてくる。
電話の後、彼に話すと仕事内容が見えてきた。
熱心なわけだ。
単調で肩の凝る仕事内容。
地道に長く続ければ、倒産する可能性はゼロの安定企業。
どうしようかと、まだ履歴書は書いていない。
もうひとつ、もっと給与の高いところを見つけた。
時間は自由でいいけれど、電車で都心に行き、シフトあり。
単調かどうかはわからないけれど、面接の予約を取ったところとは
倍以上の差がありそう。
向上心がなくていい。
もう疲れたくない。
生きるために働いているだけの生活は、もうたくさん。
前のあの仕事を思い出した。
私って欲のない女でしょ?
そう言うと彼は笑ってた。
彼の仕事の一部を手伝いながら暮らせればいいのに。
今は1日数時間、教えてもらったとおりにやっている。
モニターを2つにしてもらって、いつの間にか入っていた
名前しか知らなかったソフトだと気づいたのは手伝いだして数日後。
実は、時給換算すると、この手伝いが一番高くなる。
悲しさや寂しさを感じる時がある。
ココへ来る前に、今まで以上の苦しみも覚悟すると決めたから。
それを思い出して、瞬間的に切り替えて、彼に笑顔を向ける。
そうでないとダメだから。
ココにずっといようと決めたんだから。
2006年05月22日(月)
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