プープーの罠
2003年10月26日(日)

パテ、ダッチワイフ、ディスタンス

最近はどうも
夜の1時に寝ても
3時 5時 7時 と
定期的に目が覚め、
その度に30分くらい
ぼんやりとして
特に何かするでもなく
何か考えるでもなく
ただ ぼんやりとして
それからまた眠る
と いうサイクル。
目が開いて夢を見ない
レ ム 睡 眠
といったところです。

3時
目が覚めてすぐ
君からメールが来て
好きよと書いてある。
私は曖昧に笑い 流し
再び目を閉じる。

5時
君の写メールが届き
前に写真がキライだと聞いていたので
顔を写してることに多少びっくりし、
私はいつもの顔が好きよと返す。

カーテンをあけると
青く薄暗い空は少し朝の感じ。
眠り直すのをやめてみる。
継続して眠り続けることはできないし
夢こそ見ないけれど
ある意味とても効率良く眠ってはいて、
頭は起き抜けからスッキリ。

電話がなって1週間ぶりに聞く声は
相変わらず低く、
眠っていなくてテンションのあがった君は
堰を切ったように全てを語りだす。
窓の色が変わっていくのを見てる。

9時
電話の電源がきれかけ
耳は耳鳴りで、
とりあえずごはんでも食べましょうか
と、お互いの家の中間
くらいにあるレストランへ行き、
さわやかな空気、朝日、
雰囲気はまるでホテルの朝ね
と言い、目の前の景色はお墓、電車、カラス。
コラージュのようなおかしな風景。

13時
日曜日の公園、落ち葉の上、
死体を踏んでいるような感覚
道じゃないところをゆっくりと歩き、
秋の色をしたベンチに腰掛けて
日曜日を楽しむ人々を眺め
秋にうっとりする。

ぽつりぽつりとする会話は
とてもあけすけで
彼は自分の心を
ベルリンの壁のように砕き
その世界を無感動に
ただ見せてくれて
私はあらそう、と応え
彼の名前の漢字を聞く。
静かな空気は心地よく
風は冷たく
空は薄い色

私は寂しさが分からない

17時
そうだ今日の夜は森君と飲むんだ。
薄暗く寒くなった公園をまた歩き、
彼はギリギリまでお茶でもどうかと言い
雑踏をまた歩き、電車に乗り
妙に広い喫茶店で
同じホットココアを飲んで
猫舌なのよ、と笑う。

19時
そして手を振って別れる。


君の話を聞いて私は
すごくすごく安心して
涙が出そうになる。

君が欲しいのは
心の隙間を埋めるものだ。
寂しさをまぎらわすための。

私 君のこと好きだわ。
多分めちゃくちゃ好き。

透明なガラスの陶器


喫茶店で隣の席の人が吸っていた
細いくせに妙に鼻につく臭いのタバコが
しっかりと私にも染み付いていて
それをまぎらわすために香水をつけて
家にあるありったけの
お酒を抱えて森君宅に行く。

やっぱりヤツは
前と違う人の名前を言いやがり、
ずっと前に二人で観に行こうと言ったまま
結局観なかった映画をビデオで観て、
キルビル観たいね「ヤッチマイナ!」とか言い、
そういえば森君のタバコはあまり気にならないなぁ。
うっすら降り出した雨、
丑三つ時、静かな住宅街を帰る。

大して飲んでないのにえらく目が回り、
帰るなりそのままベッドに潜りこんで
香水の匂いにふわりと包まれて眠るの。

それから私はあぁ幸せだわと思った。

索引
「プープーの罠」 written by 浅田

My追加