| 2007年03月19日(月) |
舞台「いやむしろ忘れて草」 |
劇団:五反田団 作・演出:前田司郎
私は今回が初めての五反田団。 ふらっと行けてしまう値段設定(1500円!)と 前田司郎に興味があってアゴラ劇場に行くことにしました。 アフタートーク付きの回はもうすっかり売り切れていて でもトークも聞きたくて当日券狙いで 仕事をサクサク終わらせて駒大へ。
整理番号は一番だったにも関わらず それでも入るのが難しいくらい満員…。
入ってみると劇場自体がかなり小さく これは…確かに大変だなあーと思いました。
ストーリー (毎回言うけどほんと下手でね、ごめんね!逆切れ)
とある町の八百屋の家族。 父親は倒れて八百屋をたたみ、母親はずっと昔に蒸発。 長女は結婚をためらい、次女はずっと病気、 東京に住んでいる三女、まだ学生の四女。
ありふれた不幸のありふれた幸福の物語。 (ここ、チラシから引用)
思いがけず素晴らしい舞台でした。 勿論、最初からつまらない舞台を観に行こうと 思って観に行ったりしませんが、それでも 思った以上に良かった。
作り手の目が作品に対してとても冷静で 音楽が極力排除されているのも舞台が簡素なのも 暗転が無いのも(照明は若干だけ明暗動きます。 その微かさも素晴らしく、作品を損なわない) 全部が繊細で緻密で効果的なのです。
本当に良いものは好みを超えます。 私はこういう静かで淡々とした舞台は あんまり得意ではないだろうと思っていたのですが (そしてたぶん本当に得意なわけではないのですが) この舞台はそんなことが関係なかった。
次女の後ろ姿一つで場面が変わる。
ガラスの仮面か!っつーくらい 舞台的なのに全編に流れるテイストは あくまでもそこではないと感じました。
最後の次女の慟哭に、何故かつられて(笑) 泣きました。作者の意図はわからずとも 私の記憶が勝手に話を補完して私を泣かしました。
前に雑な「観ている人にお任せ」感が好きでないと 書きましたがこれほど奇麗にやられると逆にたまらん。
あと、アフタートークでの前田さんがとても 観られることに意識的で観客のことを考えて モノを作っている(あくまで内容ではなく) ことが言動の端々に感じられて それが本当に素晴らしいなあと。
小劇団の枠を超えて 五反田団を観てみたい気もしました。 自分の手が全て届く中で作るものの良さがあります。 それがもっと広い対象になった時 前田司郎さんはどうなるんだろう。
全くマイナス面での心配が無いから言える発言ですが。 きっと、それも素晴らしいに違いない。
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