抱き合うだけの人間なんて要らないんだけどね。
口ではそんなこと云ったって、結局寂しがり。 何か誰か必要なんだろう。 寂しがりの自覚はあんまりなかったけどさ。 多分寂しんだろうなってことは判ってる。 そういえば墓参りに行こうと思ってたけどやめた。 イヴに墓参りって、あぁ、滅入るなぁ(苦笑)。 行かなくても引き摺るけど、行っても区切りにはならないから。
体温だけ貰おう。 他には何にも望まないし。 ひとりになって考える時間を減らしてもらうだけ。 どうしようもない二人が、紛れたらいいだけなんだ。 どちらかが、厭きるまで。 理由も想いも言葉も何も無い。 喪えないようなものはきっと、二人とも、もう手に入れたくない。 代替の利く存在でいたい。
煙草を買って、コンビニから家まで ひとりでトロトロと歩いてた。 情緒も無いくせに不似合いに空を見上げて 自分の息が思いの外、白いのに気付いた。 雪が降らないかなぁと考えながら。 雪が好きだったのは、私だったか、隣に居た誰かだったか。 大切な人、なんてのと笑いながら歩く道よりも ひとりこうしてるのが似合ってると思った。 孤独を感じてるとか独りで生きてるつもりでいるとか、そんなんとは違うけど。 不意に、漠然と この侭ずっと、ひとりでいる気がした。 この先ってのがどこまで続くのか知らないけど、それで絶えるのも悪くない。
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