限定鼓動

2006年05月12日(金) 疲労

知人が腰を痛めてしまって
それの介護…とまではいかないけど
ゴハンを運んだり、飲み物を配給したり
買い物を頼まれたり、何だか休まる暇がない。
別にこの知人が嫌いな訳ではないけど
本当、特定の人間としか話が出来ないので
一緒の空間にいるのは、途轍もなく疲れる。

動けない、寝返りさえうてない人間を見て
介護の重要さや大切さ、それの難しさを思い知る。
ちゃんと勉強しとけばよかったな…
知識ばかりは在るのに、それは実践とは違う。
現実を前にして、自分の無力さを知る。
触るのが怖い。手助けが怖い。

抗不安剤を飲んで、安定剤を飲んで祖母を迎えに行く。
落ち着いて落ち着いて、と考えながら話を繋ぐ。
祖母は笑わない。
あたしも笑えない。
祖母は老人性鬱だと思う。
けどそんなの云ったところでどうにもならない。
あたしは相変わらず病気だと思う。
だからと云って、何もかも免除される訳でもない。
家族と付き合わない訳にもいかないし
知人を放ってもおけない。

電話が鳴るのが怖い。
誰からか、着信を見て、また眼を伏せる。

タイプする右手に蝶が舞う。
生きる糧の名前がちらつく。
怖い、気分が悪い。
誰か誰か誰か。


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陽 [MAIL]