ぶらんこ
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2006年04月10日(月) あわ

大好きだったひとが夢のなかに出てきた。
何年ぶりかの再会。
わたしのなかの彼は20歳くらいで留まっている。
最後に会ったのがそれくらいだったからだと思う。
夢のなかの彼はそのときのままだった。
わたしの姿はどうなのかわからない。
思考としては、今のわたしだったように思う。


わたしは島にいて、偶然、彼と会った。
驚いて、でもすぐに、あぁ彼は死んでなんかいなかったんだ・・・と、安心した。
会えてとっても嬉しかったし、今度はちゃんと話そう!などと思った。
でもどこかでこれは夢なんだという意識もあって、夢から覚めないうちに彼としっかり話をしよう、と心に決めていた。


わたしは海に行くところだった。
歩いてすぐの浜だ。
家を出ようとしたとき、目の前に彼がいた。
彼は魚釣りに行くところだった。
わたしたちはお互いの姿に気付き挨拶を交わした。
あれーーー。帰って来てたの?とかなんとか。
ものすごく久しぶりだったので、最初はふたりともぎくしゃくしていたけれど。


じゃぁ兄貴の船で沖に行こう、ということになった。
彼は喜んで、あいつとあいつも誘おう、とはしゃいでいた。
釣りの道具のなんとか(もう忘れてしまった)について、わたしの兄が多くのことを知っているからすごく頼もしい、とも言っていた。
わたしは彼が兄のことを知っているのを不思議に思ったけれど、なんだか嬉しかった。
そっかぁー。そっかぁー。
釣りのことはよく知らないし好きでもないのだけれど、兄貴が船を持ってて良かったー!と、心から喜んだ。

早速友人たち(ひとりはわたしの従兄弟)を呼びに行く、と彼が言うので、わたしも一緒に行きたい、と言った。
ちゃんとふたりになって話をしなくちゃ、と思った。
言わなくちゃならないこと、或いは、聞かなければならないことがあるでしょう。なぜかそんな気がした。


出かけようとすると、サンダルが片方しか見当たらなかった。
あれれ? 慌てて探すのに、玄関にあるのはどれも片方ずつのサンダルばかりだ。
なんでこんなにいっぱいあるの?というくらい、ばらばらに。
彼は笑いながら見ていた。
わたしは「待ってて、待ってて」と繰り返しながらサンダルを探していた。
「待ってて、一緒に行くから、待ってて」
最初は笑いながら探していたのだけれど、だんだんそのうち、夢から覚めてしまうんじゃないか、と不安になってきた。
消えてしまったらおしまいだ、もうどれでもいいや!
そう思ったとき、やっと見つかった。
そのサンダルは外に置いてあった。わたしのじゃない。母のものかもしれない。
茶色で、小さな貝殻が花の模様になって飾られた、なんとも時代錯誤な感じのものだった。



わたしたちは一緒に歩いて浜のほうへ向かった。
少し遠回りになるけれど、海沿いの道を歩いて行こう、と言って。
ふたり、手を繋いで歩いた。
ちょうど良い潮風だった。
あぁ良かったー。こうやって一緒に歩けて。本当に良かったー。
わたしは安心していた。嬉しくて楽しくて心地よくて。
あぁでも何か言わなきゃ。。。。


そう思ったら、ふと、目が覚めた。
慌てて、夢のつづきを見ようと思って目を閉じたけれど、もう彼には会えなかった。
夢のなかで、彼は何か言いたかったのかなぁ?何か聞きたかったのかなぁ?
いや違うな。
あれはあれで完結。そしてそれはわたしのなかに溶け込んでいったのだ。
あぁ〜。良い夢だった。



きみは相変わらずカッコ良かった!
嬉しそうに楽しそうにしてたから安心したよ。
夢のなかに来てくれてありがとう。
いつかまた、会いましょう。





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