ぶらんこ
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先日、あるTV番組を見ていて、衝撃的事実を知る機会を得た。 考えがまとまらないままだが、出来るだけ心に添って書き留めておこうと思う。
「わたしは7歳のときに割礼を受けました。 わたしの国では伝統的かつ積極的に行われることなのです。」
circumcised??? 彼女の言葉を聞いたとき、最初は意味がわからなかった。 割礼(Circumcision)???誰のこと???
わたしの身に起きたことはどうしようもないこと。もう起こってしまったことだから。 そのことについて、わたしは何も出来ない。それはもう変えられない。 でも、このことを広く知らせたい。 わたしの身に起きたことを世界に知らせることに、自分の人生を捧げたい。 今も尚、多くの少女たちがFGMを受けさせられ苦しんでる。そのプロセスの中で死んでしまう子もいる。 わたしが声にすることで、未来の少女たちを救えたら・・と願っている。
彼女の言葉の意味を教えてくれたのはこころだった。 学校(保健)で習ったのだと言う。
正直なところ、信じられなかった。 あり得ない!と思った。 何かの間違いでしょう、と思いたかった。 でも、わたしの疑問(解剖学的)に対するこころの答えを聞き、事実であることを認めざるを得なかった。 それは「割礼」なんかじゃない。「虐待」でしかない。。。
元医療従事者として、その事実を知らなかったこともショックだった。 だから、詳しいことを知りたいと思った。知るべきだ、と思った。
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*女子割礼(Female Circumcision)* 現在では、(生々しい表現であるが)事実に基づき、*女性性器切除(Female Genital Mutilation)*と言われる。 FGMについては、このサイトが最もわかりやすく紹介されていると思う。⇒"FGMとは" FGM廃絶を支援する女たちの会
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随分前になるが、友人と一緒に「笑っていいとも!」を観に行ったことがある。 そのとき、オスマン・サンコン氏が出ていたのだが、オフレコでの彼の話が印象的だった。
初めて日本人女性と性交したとき(直接的な表現ではなかったが)、女性が突然大声を出したので非常に驚いた、という話があった。 会場は どっ と笑い出した。 サンコン氏は、まじめな表情で付け足した。 「いや、本当に驚いたんです。僕の国では、女性はけっして声を出さないんです。 だから僕は、もしかしたらその女性を殺してしまったのか!と思った。本当に怖かった。」
当時、わたしは22歳か23歳くらい。この話題がどのように終結されたのかは覚えていない。 女性蔑視(男性崇拝)の影を感じ、さらにそれが笑い話になってしまったことに、少しばかり嫌悪感を覚えた。 でも、サンコン氏自身は、けっして笑いを誘うつもりで紹介した話ではない、とも感じた。 どちらかと言うと、笑いに包まれ、困惑している様子だったと記憶している。 女性はいかなる場合でも男性に従順しなければならない。という古くからの慣習。 暮らしのなかでしっかりと根付き、起源とか理由などという発想すらないもの。 ・・・しかし、その後わたしは、それ以上深く考えることはなかった。 あれは、遠い国の遠い出来事。。。
考えてみるとあれから20年だ。。。 今、彼の国の女性達が性交時に声を出せなかったことについて、あらためて考えている。 問題は、もっともっと深いところにある。 彼女達の苦痛は、もっともっともっと、深いところにあった。
先の女性はこうも言っていた。
わたしは一生、結婚しないつもり。 FGMによって、男性とセックスできない身体になったから。
彼女は美しい21歳の女性。ソマリアからの移民だ。 ソマリアで行われているFGMは、最も深刻なタイプの陰部封鎖(infibulation)である。
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