ぶらんこ
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夏
ちいさなボートを漕いで「波止め」と呼ばれる防波堤まで行って そこで夜釣りをした
おおくま座を眺めながら イュッツリはそんなに好きじゃないんだけどと思いながら ただ格好だけ釣り糸を垂らしていたら
ククク となったような気がしたよなしないよな とりあえず上げてみますか と上げてみると 思いがけず竿がしなったりなんかして
引いとる あげれ まわせ まわりに言われてやっと気付くどんくささで 生まれて初めて おぉーイュッツリっちば むじらっさーーー と思い
ハーム ガラ ヒノマル メバル フエフキダイ なーんとクーラーに入りきれん 大漁、大漁
一睡もしないで 時々兄貴と語ったり 時々はムンカンゲしたり
あとはずぅっと黙ったまま なーんも考えず 波ばかり見てた
おおくま座はまわりながら降りてって おだやかに夜が明けてって
そしたら いきなり
クッカルが鳴いた
いつもいつも見上げてた山 うちのすぐ後ろにあるあの山から クッカルの声が高らかに
あけがた 凪 クッカル
テダが昇るまえの 不思議な きよらかな 静寂
家へ戻ると 兄貴がイュをアチカッテくれて ありがさまとつぶやきながら いつの間に眠ってしまった
起きたらなんと お腹いっぱいに アセモ きょでじゃやー と兄貴は笑ってた
そんな夜釣りだった
島はいいよ
むるっか いいよ
なちかしゃん あんやぁ や ぬんなたんば
な きょらや ち なたんば
なんだれば いっちん いっちゃんかな
また ゆらいが いもりんしょれよ
まちゅんかなよ
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