けろよんの日記 
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| 2005年02月26日(土) | 
ラブ・トライアングル | 
  
念願の映画版「オペラ座の怪人」! 指折り数えてみたら、舞台が大阪1回、福岡2回、ロンドン1回、 京都2回の計6回。 で今度が演目としては7回目。ロイド・ウェーバーの肝入りということだったので何の心配もしていなかったが、ストーリーとか細部とか突っ込みどころ 満載!と思いつつ素晴らしい出来。音楽はいうまでもない。
  上下左右360度あらゆる角度からの映像や、舞台では不可能な楽屋裏の猥雑とさ、あの独特な墓地の様子を見事に表現。 (パリの墓地ってあんなものなのかしら。) カラー、白黒を交互に出し過去と現在を行きつ戻りつした構成は映画ならは。
   以前、林望さんのエッセイの中で「オペラ座の怪人」というのは父と娘そしてその恋人との三角関係であり、娘が父から自立するに際してのそれぞれの葛藤であるというような内容を読んだことがあり、ものすごく腑に落ちたことがある。というのも最初のオペラ座が四季退団直前の山口ファントム。そのマント裁きがあまりにも強烈で。ハート鷲摑み。 その後山口氏の退団に伴い急にお腹の出たおぢさま方がファントム役をされるのがものすごくキツカッタのだ。しかしこの林エッセイでの解釈だとすごく納得が行くのね。  が、が、が、今回はその前提が再び覆され。官能的なファントム! で、見るところクリスティーヌはもうよろよろよろよろラウルとファントムの間をいったりきたり。「ポイント・オブ・ノー・リターン」ではもう完全にファントムのもんでした。 あの時のラウル顔の悲痛さといったら。 何といっても愛する女性の今まで見たこともない官能的な一面を公衆の面前で 目の当たりにした訳だし。それもかなり能動的にファントムに挑むような。(あの時点でラウルは清純な婚約者に指一本触れていない筈。)
   結果的にクリスティーヌはラウルを選びラウルの元に戻り、よき妻・よき母としてその生涯を終えたようだが、夫婦になっても父母になっても幸せな生活の中、互いに口には出せない「何か」が一生を通じ二人の間に翳さしていたのではないかと思われる。 それでもクリスティーヌはラウルを選び、ラウルはクリスティーヌを愛さずにはいられず。 クリスティーヌは憐憫や同情ではなく確かにファントムを愛していた筈です。なので何故ラウルに戻ったのか?あの圧倒的な一瞬。確かにファントムの黒い情熱はラウルを凌駕していたと思うのに。 いやいやどう考えたって生涯を共にするのはラウル。ハンサムでお金持ちの子爵様。プリンスとしかいいようがない格好よさでクリスティーヌにべたぼれ。 (個人的にはクリスティーヌをファントムから守ることには必死になっていたけど、その分クリスへの優しさとか包容力というのが若干欠けていたような気もする。)   やはり光り輝くものへの憧れということか。全ての善きものの体現がラウル。  それにしてもラストのクリスティーヌが怪人に指輪を渡すシーンの何と残酷で美しいこと。あれは指輪ではなく心の一部を置いていくシーンであると思うが、二重の裏切りとも読めなくもない。あのふと顔をあげてクリスティーヌを認めた時のファントムの顔ってば・・・。 #しかし何でラウルにもらった指輪やねーん。
  お口ぽかんのクリスティーヌ。ちょっと天然入ってるぽくて。 でもすっごい色っぽくて。 同姓としては傍にいて欲しくないタイプ。とばっちりを受けそうで。(爆)
   製作の都合上、前後したり省略されたシーンもあり。 お気に入りの掛け合いのシーン無くなってるし。(涙) 赤いスカーフの話。しかし、舞台は舞台として映画は映画として、 いずれ劣らず楽しめた。東京の舞台も行きたいな〜。
   しかし昨日の「花岡〜」もそうだけどあっちでもこっちでも三角関係。 大学の頃の経済学の先生が授業の時間にふともらした「何といっても一番面白いのは三角関係ですよ」という言葉を思い出す。 
 
  
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