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▲まえ
2004年02月06日(金) ![]() 用事ついでに、ホーんテッドマんショんの試写会に逝って来た。 ジェニファーティリーが出てたので時間ギリギリ 必死こいて観に行きました。 何ぞや、というと、 デズニにある同名のお化け屋敷の映画化。 四月公開。 話題性としてはコレ、まあ、いいんじゃないでしょうか。 当然ですが、あの、フワフワ青白く光る煙のようなゴーストやら、 前を通る者を目で追う胸像やら、水晶玉の中の預言者ぽいゴーストなんかが、 同名のアトラクションを髣髴とさせるので、それで取り敢えずは、 『あ!これこれ!ホーんテッドマんショんぽいねウフフ!』的な良さはあります。 誉める処もあります、…ゾンビをCGじゃなく特殊メイクでつくった事。 これはまあ正しかった。 ・・・ホーンテッドマンションぽいとはいえないけど、 存在感があって思わず見とれたし、なによりお化け屋敷ぽかった。 でも …あ、 ネタバレ在りはおろか、ムキになって大いに文句、不平不満を書くので 以下は基本的に、読まないほうがいいかもしれません。 ・・・とにもかくにもひどく乱筆乱文で、そのうえ、・・・ううむ・・・ あらかじめお断りしておきますが、ワタクシ一切責任取れません、あしからず。 それでも読むっつーかた、 観る前からガッカリしたいかた、心臓の強いかたは、 ドラッグ反転でどうぞ。 ↓ …映画としてはぶっちゃけ駄作で、大いにゲンメツ。悲しいよアタシゃあ!! 上映時間1時間28分だそうですが、映画全体が妙に間延びしてて、すんごく長く感じた。 まず、屋敷にまつわる伝説が省略され過ぎてました。 パンフなんかには『52の寝室と67のバスルーム、そして999人のゴーストたち…』なんて 書いてあるワケですが、これに関して映画で一切触れません。 『1000人目は、あなたです。』とも書いてありますが、何が何だか。それも無関係でした。 映画化に当たって新しく作ったであろう、その屋敷がお化け屋敷になるに至ったエピソード が物語りの軸になってたのですが、それがシンプル過ぎて間が持たないんです。 シンプルなのは許すとしても、登場人物のセリフ語りや物語の進行の中で、説明不足な 印象を強く受けました。ガッカリする程簡単な事情が、下手な脚本によりムダに難解にされて いるので、これまた簡単過ぎる物語の結末が近付くにつれて更にガッカリ、といった感じです。 そして、全編に渡って、ノリが悪い。 一つ一つの場面が長すぎて、オチもだいたい予想出来るものばかりなので、少しイライラ、 そして更に予想通りのオチな為にガッカリします。 どうやら、アハ…という軽い笑いを織り交ぜたいんだー、という希望が伺えるのですが、 ノリが悪すぎて笑うタイミングが掴めず、いちいち拍子抜けします。 (ノリの悪い場面を例をあげて細かく書くと極悪姑のようなので略 いつかどっかに書くかもしれませんが…) 大きい錠剤を飲み込む時に食道に引っかかって、一応飲めるんだけど、 どうも気になるな、て気持ちとも似てます。 あと、大問題だったのがキャスティングのミスです。 この手の、既に映画に話題性があるから既にスターな俳優は出さなくて良い、という傲慢で あると同時にケチ臭い判断が招いた、ありがちな失敗です。 予算の都合なども多いにあるんでしょうけど…エディマーフィは高くついたろうからね…。 そういえば、旧デズニアニメ映画に対して、白人ばかりが出てきて姫と王子の退屈な恋愛 ばかりが描かれた、などと批判する声もあるようですが、だからといって、このように違和感 のあるキャスティングまですることもないかと思います。登場人物が少ない分、キャスティング に気をつけなければ全て台無しです。キャラを掴むのに抵抗があり、戸惑います。 適役だったのは4人だけ。 エディマーフィ、あまりアタシ好みの俳優ではないけれど、彼はいい仕事してました。 適任だったと思います。彼のテンポ良さと、演技の解り易さが救いでした。 それから、水晶玉の女のジェニファーは最高でした。自然に笑えたのはジェニファー の場面だけでした。それからエディマーフィの息子役の子供、黒人の男の子で、顔も可愛いし 演技も良かった。あと、執事…衣装似合うし、適役。 それ以外はヤバイです。 屋敷の主人。日本でいうとシャルウィダンスの時の役所こうじみたいな外見の中年男です。 他の役をするならイイ俳優かもしれませんが、兎に角この映画では違和感がすごかったです。 主人は、世間体を捨ててまで、身分下の黒人女性との恋を貫こうとする、まっすぐな若者です。 執事はそんな若気の至りな主人の将来を案じ、その女性を毒殺し、表向きはその女性が自殺 したと見せかけるのですが、主人は死後もずっと、その執事の嘘を信じて疑わないんです。 この主人役のナサニエルパーカー、劇団臭いというか映画向きでないというか、衣装が 浮いてて、全く似合ってませんでした。七五三のように、着せられてる感じ。 昔のヒトが蘇ったという感じが全くしません。 …しかも何だか人相的に、ユージュアルサスペクツに出てきそうなマフィアのような臭い すら感じられるので、登場した時からウサンクサイ空気が漂いまくりで、好感度無いです。 主人はもっとピュアな印象で、困った顔の似合う、少し陰のある、そして少し美しめの若者 でなきゃヘンです。例えばデズニ映画の美女と野獣の、野獣が最後に人間になりますが、 ああいった姿の男性だったら解り易くて良かったのに。 エディマーフィの奥さん役の黒人の女優さん、すんごく美人なんだけど何か違う。 昔々に屋敷の主人と恋に落ち、身分の違いで結ばれなかった女性と生き写しにソックリ で、主人も彼女が屋敷に戻ってきたと思い込んで、人違いにも関わらず、こんどこそ一緒に なろう、とプロポーズする、という設定だったのですが、どうも違和感がありました。 どんな違和感かというと、主人と女性を並べた時、あまりにも恋人同士に見えなかったと いう違和感です。なので、「こんなにお似合いなのに、身分違いだというだけで邪魔されたら 可愛そうだよ悲しいよ、かけおちでもさせてあげたいよ」という気持ちになれません。 髪や肌や目の色の問題ではなくて、もっとこう、キャラというか、人相的にね…。 そもそも、映画を観ていて、主人にも、その恋人に対しても、「嗚呼、なんだか可愛そう だなあ、なんとか幸せにしてあげられないかなあ」という感情移入が素直に出来ないのは 致命的でした。つまり、視覚的にも屋敷の因縁の事態を把握しにくかったというワケです。 これ物語の核なのに、大問題だ…。 あと、二人がお似合いでもないし、主人にさほど魅力も無かった(執事の爺さんの方が男前) という所為で、奥さんが屋敷の主人に取られちゃったらどうしよう、とかいう、家庭崩壊の 不安というか、危機感も全く無かったので、仕事優先のエディマーフィが家庭内で孤立気味で、 果たして無事に家族愛を取り戻せるか!?みたいな、始めから何となく漂わせていたテーマも いつのまにやらウヤムヤに、不発弾のようになってしまいました。 しかしながら、このようにビジュアル的にも濃いホラーものを、オカルトだとかエログロにせず、 ファミリー向けの軽いユーモアでまとめるなら、それなりのセンスが必要なんじゃないかなー。 意図的に「チープでキッチュなB級」にする度胸もなく、制作上に意図しなかった処で、本来の、 「出来が悪いという意味でのB級」の臭いがしてしまってる気がします。軽めのゴスをやらせたら ティムバートンの右に出る者はやはり居なかった、というコトでしょうか。デズニとあまり仲の よろしくなさそうなティムに監督やらせろ、とは言えないけれど…。そりゃあ、ティムだって、 彼の好みの古典的作品のオマージュ、というか、例えばヒッチコックのパクリみたいなのを どんどん使うし、典型的というより形式的な演出をワザと狙って使うので、そんなティムの 真似をするな、とは言えないけれど…。でもそれにしては、音楽はライオンキングのヒトなん だけど、ティムと組んでるダニーの作風にとーても良く似てるし、特殊化粧はティムの猿の惑星 やったスタッフですけども… …んー、 まあ、それは良いとしても、 ヤケクソぽく一流ばっか集めたプロジェクトの割にはうまくまとまらなかったね、と言いたい。 …船頭多くして船山に登る、だっけ…嗚ー呼ー。 一体何がこんな駄作を作った原因なんだろう?やはりデズニはプライドが高すぎるのかな。 それとも単に、リタントゥオズを撮った頃のステキセンスはウォルト氏とともに消えて しまったということなんだろうか。そんなの…何だか、なげかわしいねえ。 どうせなら、昔時代モノの衣装に圧倒されたかったなあー。登場人物少なすぎてそれすら 叶いませんでしたが。なにせ最も衣装の似合いそうなジェニファーが、声と顔演技だけの、 水晶玉の中の生首の役ですから、作り手側にもその気すら無かったというコトか…。 あまりにも、見せ場というか、面白ドコロに恵まれていない映画だったので、せめて ジェニファーが水晶玉の中から出てきてくれたらなあ、という望みに賭けていたのですが、 見事、最後まで水晶玉でした。とはいえ、たとえ水晶玉でも彼女は笑わせてはくれましたが。 あーあ。しかし納得いかない…。 まさか、ホーんテッドマんショんぽければそれでイイというの?…でもねえ、だったらねえ、 いっそ物語なんか無視する勢いで、もっとたくさんの数のゴーストとかゾンビだとかを出して、 屋敷内にももっとたくさんのドッキリお化け演出を盛り込んでよ。 ファミリー向けにしたかったから、極力ムヅカシイ物語にしなかったというの? …だったらもっと感覚的に物語を捉え易いような脚本と演出とキャスティングにしてよ。 兎に角、全体的に解りにくくて物足りないんです。 何だかごまかされてる感じがずっと付きまといます。 これならキャスパーだとかアダムス〜の方がずっと映画として出来がいいです。 折角のデズニアトラクション映画化、もったいないねえ。…これじゃあんまりだ。 「こんな面倒臭い屋敷は放っといて早く帰りたいなー」と、登場人物は思うワケですが、 観客までもが思ってしまうのはいかがなもんでしょう。 この屋敷には、何となく、ゲストを惹きつけてしまう魅力が無いといけなくないですか。 …「怖いけど、でも楽しそうだから入ってみよう」というのが お化け屋敷というものじゃないかなと思うんですけどね。 ▼うしろ |
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