実は昨日の日記を書いた数時間後 研修医が失言してくれちゃいまして オットの逆鱗スポットに命中。 「退院したい」 とメールがきたので事情を聞いて私も怒り心頭。
会社には14時前に出勤したというのに 18時前には出て病院へ。
ああいってやろう こういってやろう とシュミレーションしていたら私の父から着信。
「病室についたんだけど何号室だっけ?」 えー!?
父の前で医者たちとバトルを繰り広げるわけにはいかない。 けど父がいるときに病室に医者が来ちゃったらどうしよう。 ものすごくドキドキしてたら なんとか父のいる間は来ず。
ほっとして病院外の喫煙場所で父のタクシーを待っていたらナースが 「先生がお話できるそうです」 って呼びにきやがった。 あっぶない 間一髪。
父は「病状説明だったら俺も聞きたかったな。タクシー呼ばなきゃよかった。」って。
しかしこのタイミングって今までの父にはなかったものなんだよね。 まさに母のタイミング。 トラブルを無意識に察知して大事になる前にきっちり関わる人だったから。
父が帰った後「お母さんが乗り移ったようだ」と話してました。
ともかくその後数十分は担当医と担当ナースとで話をし こちらの怒りはいちゃもんじゃないってことを解ってもらった。 つか、私がぶちきれました。
母の入院のとき掃除婦が母にものすごい冷たいことを言って母を傷つけられたことがあります。 前に書いたと思うけど。 そのときの母の気持ち姿を思い浮かべるだけで今も悔しくて悔しくて涙があふれてくる。 普段の母なら言い返す人だったけど 悲しみが先に立って言い返す気力もなくしょんぼりしてたら小耳にはさんだナースが事務長と婦長に進言してくれて 向こうからあやまりにきてくれたらしいけど。 でも母についた傷は 絶対に許せない。 その場にいたかった。 そして母がついた傷を忘れるくらい私が暴れて打ち消してやりたかった。 おおきな病気をわずらっている人というのはメンタルの浮き沈みが激しい。 人の言葉ひとつでもガックリきやすいのだ。
だから、私は今回は100%オットの側に立ってオットを守ろうって思った。 その思いもぶつけた。
医者もナースも「そんな大騒ぎしなくても とにかく体を先に治そうよ」の態度だったけど 私が吼えるのを黙って聞いてきた。 聞いているときの目つきは 私には 一応は真摯に受け止めているように見えた。
そのあと当の研修医がやってきた。 まだ1年目だというから ストレートできたとして25,6。 あからさまに若い「小僧」って感じ。
担当医が「両方から話を聞いて おまえの発言の意味も斉藤さんや奥様がお怒りな理由もわかった。おまえは謝罪させてもらいなさい。」と言った。 彼は「このたびは大変申し訳ありませんでした。深く反省しております。」と真っ赤な顔をして頭を下げた。 その後の動作を見て私は思わず「そんなことはしなくていい!」って叫んだ。 彼はベッドのオットに向かって土下座をしたのだ。
「立って下さい」
彼に私のほうを見るように「あのね」と呼びかけて、彼の目を見ながら話した。
「そんな、土下座なんてするもんじゃない。そんなことをして欲しくて怒っているわけじゃないんです。 あなただって親御さんの期待を背負って医者になったばかりでしょう? だったら 自分たちが関わるのはただの体じゃなくて 心を持った体なんだってことを解って欲しいだけです 患者や患者の家族が抱えている思いをわかる、そういう医者になってください。」
小さい小さい声で「はい」と言った。
部屋を出て行くとき担当医が彼の頭をゲンコツでゴンと殴っていたと オットが後で言っていた。
医者に囲まれて育った私が言うのもなんだけど、医者ってね ほんっとにプライド高いの。 ココロとかそんな感情論は排除しがちで 自分たちのやるべきことは 命の救済 そのためには患者の動揺とか二の次。 そうじゃない医者もたくさんいる。 私の父がそうだ。 そんなだから父は大学病院で出世できなくて 優しすぎて野心がなくて少し弱い人だ。 だからこそ私も妹も医者としての父を尊敬しているんだけどね・・・。
医者には 特に研究で功績をあげたり 開業して大きな病院を切り盛りしたりするタイプの医者には『命を扱う医者が一番。中でも外科は花形』だって想いがある。 これはね 医者自らが否定しても ダメ。 あるんだもん。
そういうタイプの叔父たちも70に手が届く今だからこそ自分たちの言動の冷たさを振り返って 母の葬儀のとき後悔して泣いて私に謝ったのだが 遅い。
若くてまだ情熱のあるいまだからこそ 今回のことを身にしみさせて欲しい。
と、思う。
とりあえずオットは夕べは連れて帰って 今日の18時までに病院に戻ることになっている。
さっきオットからきたメール「病院に戻ると思うだけで吐き気がする」。
いいよ 無理しなくて。耐えられそうになかったら今日も戻っておいで。
chick me
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