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■ 寡黙な死骸 みだらな弔い (本)
寡黙な死骸 みだらな弔い 小川洋子 実業之日本社 / ¥1500
(収録作) 洋菓子屋の午後 / 果汁 / 老婆J / 眠りの森 白衣 / 心臓の仮縫い / 拷問博物館へようこそ ギブスを売る人 / ベンガル虎の臨終 / トマトと満月 満月
天気のいい日曜日、私はケーキを買いに洋菓子屋へ来た。ケーキはイチゴのショートケーキをふたつ。 今日は息子の誕生日なのだ。彼は六つ。十二年前、冷蔵庫の中で死んでから、ずっと六つ…。(洋菓子屋の午後)
淡々と乾いた、でも何処かおかしな彼等の日常。死んだ息子のためにケーキを買う母。手の形の人参が取れる畑。疑心暗鬼に捕らわれ、原稿を手放さなかった女流小説家。僅かな、時には確かな繋がりで続いていく短編集。
2004年08月10日(火)
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