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■ 時をさまようタック (本)
時をさまようタック ナタリー・バビット著 評論社
その夏の日、ウィニーは厳格な家を飛び出し、森へ入り込む。そこはウィニーの家の所有している小さな森。 そこで彼女は、不思議な少年、ジェシー・タックに出会う。ジェシーは、森の中にある、ぱっと見ては解らない場所にある、泉の水を飲んでいた。 実はその泉は、不死の泉で、偶然にもそれを飲んでしまったジェシーを始めとするタック一家は、不老不死の身体になったという。 その秘密を知ってしまったウィニーは、タック一家の住む家に連れて来られる。 ただ、その秘密を誰にも言わないで欲しいと頼むタックの人々。初めて過ごす、己の家の外。 不老不死とはどういう事か。永遠にさ迷い続けるタックの家の人は、幼いウィニーに静かに語る……。
不老不死をテーマとした児童文学。 飲むと不死になる泉と、その泉と森を所有する家の娘、ウィニー。 言葉と文字がとても美しく、情景が溢れてくるような描写は秀逸です。 児童文学としても、不死をテーマに扱った作品としても素晴らしい物語。
“不死ということは、神様の作った環から永遠に外れてしまうことだ”
ただ静かにひそやかに暮らし、時代と土地を移り住むタックの人々はそう語ります。 それを知るだけでもいい。一生のうちに一度は読んでほしい本です。 それに加え、ジェシーとウィニーの幼い恋愛が個人的にツボでした。可愛すぎます……。しかし、ラストにほんのりとした切なさが漂う。そんなお話。
ついでに、どうやら映画化もされているようです。初めて知った; 探してこよう……。
2004年09月12日(日)
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