まみいの日記
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「yuuna 今日のお昼なにがいい?」 「何でもいいよ ステーキ定食なんて言ったら お母さん 困るでしょ」 「最近 あなた 嫌な事言うわね。・・・・・昨日の生クリームが残っているから カルボナーラにしようか。」 「OK でも おかあさん カルボナーラだったらちゃんと お塩きかしといてよ。健康にいいとかいって なんでもちょっとにするから 味がぼやけちゃうのよ」 「ハイ ハイ・・・ところで あなた 将来は何になるつもり?」 「そんなのまだわからない。 高校受験終わったばかりじゃない。」 「そうだけれど 器用だし お料理も得意だし スパゲティのお店を出すなんていいんじゃない?」 「おかあさん 私に働かせて楽しようとしてない?」
「ん〜ん カルボナーラで思い出したんだけれど 昔おかあさんがまだ若かった頃会社が高樹町にあってね。そこはいろんな国の大使館が沢山あるところで 外人が多かったのよ。」 「おかあさん いまどき 外人なんていったら 差別用語だよ」 「あら そうなの じゃアメリカ人やイギリス人やフランス人や・・」 「もういいよ それで・・」 「だから その人たちの為のレストランがあったわけよ おかあさん そこではじめて カルボナーラ食べたの。その頃スパゲティなんて言ったら ナポリタンとかミートソース位しかなかったんだから。おいしくてね。水曜は習い事してたから 必ずそこで食事してから行くのだけれど 私は毎週カルボナーラを食べたのよ。」 「おかあさん こるからね」
「うん それでね いつもいつもだったんでお店の人も覚えちゃて なにもいわずともカルボナーラが出てくるようになってたの。そしてある日 カルボナーラの量が異常に多かったのよ。2人分とまちがえちゃったのかなとも考えたけれど おなかすいてたし 食べちゃったの。コックの人が顔をのぞかせて笑ったわ。」 「あんまり よく食べるんで?」
「そのつぎの週 味が変わってたのでウェイターに聞くと 『さすが毎週食べてると分かるものですね。実は彼は本場のイタリーに勉強しにいきました。』と言うじゃない。もうびっくりだった。彼はこの店で人気者でいたのに なにもかもすてていっちゃたわけだからね。」
「その人と私の将来とどういう関係さ」 「そりゃ チャレンジよ まだ若いくせに何かちまちままとまっちゃって それでいいわけ?」 「余計なおせわです。 私だってやる時はやるよ」 「なにを?」 「今は それを考えてる時なの。ちょと黙ってみていてよ。」 「あら そうなの。yuuna何も考えていないのかと心配してたんだ。・・・・ハイハイ スパゲティ出来上がったわよ」 「ちゃんと お塩きかせた?」 「あ わすれた!」 「・・・・・・。」
今日の昼 お台所で。 その後イタリアから帰った彼は六本木でお店を開いて おりからのブームにのって繁盛しているらしい。 私が のこのこいっても もうきっと忘れているだろうな。2人分食べちゃった女の子のことなんか。
まみい
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