最近、「おとな」という言葉が気になる。 朝、テレビで、女子アナが何だったか品物は忘れたけれど、「これなら大人の方でも十分着こなせます」というような発言をしていた。即、お前は未成年か、と突っ込みをいれたくなった。 生協のカタログを見ると、「おとな仕立てリブ」とか称して、リブ素材カットソーのプルオーバーが出ている。(ただし2848円・・・これで「おとな仕立て」とはいかなるもの?) 美容院で見た雑誌にも「おとな」満載で、そのときは中年のことを「おとな」というのかしら、と思った。今朝の女子アナの言葉も子持ち、あるいは中年を指すものかもしれない。「おとなの隠れ家」なんていう文句もしばしば見かける。大方は若向きじゃない店のことだ。 つまりはオヤジだのオバサンだのと侮蔑されがちな世代を消費者としてターゲットにしたとき「おとな」と呼ぶのだろう。あほくさ。 数年前に、蔓で編んだ素敵なバッグを持っていた友人が「おとなの値段」という言葉を使った。蔓素材のバッグなどピンからキリまであるけれど、若い子でも買えるような安物ではないということだと理解した。なかなかいい表現だな、と思ったものだ。本当はこうやってこそっと使いたい言葉なのに、濫用されて全く残念。
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