南盤月記
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妻の実家で貰ったシャコを食す。 シャコというやつは旨いのだが、剥くのにけっこう手間がかかるのが難だ。 まずアタマを落とし、脇にハサミを入れた「準加工品」をつくったあと、一個一個、背の殻を剥いて、腹のヒレを外していかにゃならん。それで取れる身といえばスシネタくらいの小さな切れっ端で引き合わないことといったらない。 思うにシャコがいまいちメジャーになりきれないのは、この剥く手間の煩わしさのせいに違いない。
温泉なんかではコンパニオンのお姉さんがカニを剥いてくれるところもあって、あれをシャコでもやってくれたら楽チンで良いのだが、まァ、商売としては成り立たないだろう。あれは値段がいいカニだからできることであって、もとが安いシャコでは、サービス料が食事代の10倍くらいになってしまう。これでは「シャコ食いに行こうぜ」でなくて「シャコ剥いてもらいに行こうぜ」である。いったい誰が行くんだ、そんな店。
でも、世の中は広いからどこかにはお姉さんがシャコを剥いてくれる店があるかもしれない。いつか宝くじでもあてて余裕ができたら、そういう店を探して、何物にも煩わされずシャコを食べようと思う。
野中
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