PM13:30…
大阪は曽根崎。
そこに櫻は立ち尽くしていた。
駐輪していた櫻のチャリが倒されている。
しかも将棋倒し気味にどこぞのチャリが馬乗りに。
逆鱗に触れたワタシが上に乗っているチャリにヤクザキックをしようとしたその刹那っ!!
通りすがりのサラリーマン…
*リーマンデータ* 身長:150程度 年齢:25前後 両手にアタッシュケース、ネクタイ裏返し、メガネ
がダッシュで櫻のチャリを起こすのを手伝ってくれたっ!
今日ビ砂漠と化した都会の片隅で頂いた小さな親切…
オトコ櫻、御歳2×歳、自分頂いたご恩は忘れませんっ!!
そんな「JC」チックなオープニングでお届けいたします、櫻ですラヴアンドピースっ!
BGMはもちろんジョンレノンの「イマジン」。
…て知らねっツーのな、みんな。
櫻の父親は若かりし頃、バンドマンでした。
そんなオトンが子守唄がわりに弾き語ってくれた歌…
それがビートルズであった訳なんです。
知らないコの為に例えるならば、いわゆる今で言うトコロのスリップノットみたいなもんだ。
そんな親から早朝10:30…
深夜生活者のワタクシの感覚で言う牛三ツ刻に電話があった。
んで、開口一番…
「オマエ、ピアス空けてるだろ?」
「?」
「刺青いれとるだろ?」
「?」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「血液検査を受けにいきなさい。」
藪から棒にナニを言うんだ?と思った瞬間
「じゃあな。」と電話が切れた。
数分後…ぷるるっ!ぷるるるっ…カチャっ☆
「言い忘れたがC型肝炎は怖いんやぞ。」
…ガチャッ。
…。
おそらくワイドショーの家庭の医学特集見て電話して来たのだろうが、まったくいかんともしがたい挙動に若干ぽかんとしてしまった。
そう言えば高校を卒業して以来ウチを飛び出して以来ほぼ音信不通状態だ。
親と仲が悪かった櫻は学校を出てすぐに独立した。
真剣に音信不通だった櫻の居場所を突き止めたのは、金融の債権回収を専門としているおじだった。
「いやいや、居場所突き止めるのに三日も掛かっちまったよ。」
と玄関先に、親と追跡者のおじが立っていた。
「十回以上も引っ越してるのになんで?」
と言う問いに
「プロをなめんな。」
と言い残して帰っていった。
あれから数年…まだ、櫻と親とはいがみ合ったままだ。
だがしかし、お互いが何故いがみ合っているのかさえ今は忘れてしまった。
意地とめんどくさがりな血がただなんとなく会うのを拒んでいるみたいだ。
今、櫻のステレオから流れる「スタンド・バイ・ミー」を聞きながら、
「そろそろ会ってやるか…」
みたいな気分になった。
それは何時?
…。血は争えねーんだよな〜とハルシオンがりがりカジリながらぼんやり考えた…
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