毎日、米を一合炊く。
もともと調理師だったのだが、基本的に米は砥がない。
カップいっぱい米を、そして、水をいっぱいと洗った気持ちの分を、絶妙な勘で足して炊く。
なまじ炊き上がりの状態が想像できるので、ほぼ完璧にふっくらしたご飯が完成する。
和、洋、中、イタリアン、握り寿司からサカナの解体に至るまで、何でもこなすのだが、自分の食う米は絶対とがない。
無洗米みたいな屁のようなものは使わない。
鍋でも余裕で米を炊けるのだが、米は砥がない。
メンドクサイからだ。
砥いで、水をジャーっと流す時にちょっとでもこぼれるのが限りなくウザいのだ。
その為なら多少の犠牲はやむを得ぬ。
包丁はほぼ使わない。
手元を全く見ずに切りものが出来るが、メンドクサイので包丁は使わない。
ハサミが僕の相棒だ。
職人なんて、そんなもんだ。と思う。
長年刃物を扱ってきたので、何でもハサミでジョキジョキ切って鍋に放り込むのは、なんだかちょっとした気楽さで快感だ。
お奨めはしいたけ。
柔らかい切り応えがなんとも心地よい。
一度ためしてみるがよい。
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