声優さんと映画とアニメと
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2004年11月06日(土) アメリカにて

遅い夏休みをラスベガスで旦那と過ごしています
以前はアメリカに来るたびに、沢山VIDEOやLDやDVDなどの映像ソフトをせっせと仕入れてましたが、最近では、日本でもかなり割安ですし、何より日本のDVDは2ヶ国語のなので便利です。そんなわけで、アメリカでの買い物の楽しみが少し減ってしまいました。
そうそう、ここ数年でアメリカのDVD売り場を席巻しているのが、日本のアニメです。
ジャパニメーションのムーブメントは5〜7年前から始まり、ここ2〜3年はものすごい物があります。幽々白書や犬夜叉、セーラムーンなど、日本の人気アニメのほとんどが、米国の吹き替えもしくは字幕で手に入りますし、TVでもたまに見かけます。
最初はアキラだったのじゃないかと思いますが・・・
声優ファンとしては、まあ静観なんですが、アニメファンとしては、いいことだと思います。
でも、テッカマンブレードを偶然ホテルのTVで観たことがありますが、中原茂さん名オカマ役のレビンが女性の設定だったり、名前も違ってて、なんだか印象が違った記憶があります。
去年、仕事でドイツとアメリカでほぼ同時期にセーラムーンを観たのですが、アメリカの吹き替えは???な感じでしたが、ドイツ語でしゃべるウサギちゃんは、びっくりするぐらい雰囲気が日本と一緒でした。すなわちですね、アメリカの映画を沢山の国が輸入して自国語で吹き替え放映する文化が出来上がってる(日本と一緒)なので、非英語圏のほうが声優さん他吹き替え関係のスタッフが充実しているのでしょうね。そういう部分でのオリジナルを尊重した忠実な作り方、一種のこだわりには、感激してしまいました。
むしろ、ハリウッド映画の本拠地のアメリカでは、逆に映画を輸入したりすることが少ない事と、アニメでは普通、映画とおなじ俳優さんがやる事が普通なので、どうも、画面や絵に合っている、合っていないはあまり気にしてない感じです。
作り方も、先に吹き替えとモーションアクターによるオリジナルを作ってそれに映像を当てはめるやり方も多いとか、このやり方だと、俳優の演技が優先されるので、あわせるのは絵の方ですから、各国の声優さんや脚本家が遭遇する、尺をあわせるという苦労も要らないので、演技がやりやすいことと思います。
日本やドイツやフランスなどで認知されている声優さんのような、一種の職人技を持つ俳優さんの人数は相当少ないと聴きますし、逆に、そういう声優さんは貴重な存在のようですね。
実例がシンプソンズです。この超ヒットロングランアニメの声優さんたちは、メインの5人でほとんど全部の役を吹き替えてるとか、彼らは億単位のギャラを毎回貰っているとか、どこかで読んだことがあります。アメリカ以外の国ではありえない状況ですね。
なんだか、日本の声優さんたちの地位向上のために、みんなで何かしてあげたくなる気がします。
TVのバラエティ番組で、ただ並んで簡単なコメントを言うだけのタレントさんたちに高額のギャラを払ってる同じTV局が、どうしてアニメなどの製作費用にもっとお金をかけくれないのでしょうか?アニメは世界にも輸出できるレベルの作品に仕上げれば、制作費をかけても十分ペイすると思いますし、そういう方向へビジネスを考えるべきだと思います?今はお金の使い方を間違っていると思います。アニメの製作関係者や声優さんたちに、もっと沢山、その御仕事の価値に見合うお金が配分されるようになれば、もっともっと質の良いアニメが増えていくと思います。
昔、学生時代にアニメ関係のサークルにかかわっていたので、原画のギャラがどれだけ安いかをおおよそ知っています。だからこそ、今も昔もそうですが、あれだけ大変な仕事を、あれだけ安いギャラで、しかし高いモチベーションで、よく長い年月続けていけるなぁ〜と、日本のアニメにかかわるすべての方々には敬意を表してしまいます。
作品を作る情熱がホントウに素晴らしいと思います。
今の粗製濫造のアニメが多い状況には、また違った意味での危機感も感じますが・・・

そんなわけで、明日帰国します。



まいける2004 |簡易メールシルバーナの船室(コラム)

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