声優さんと映画とアニメと
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2004年11月24日(水) |
スリーパーズ(1996年アメリカ映画) |
BL物語のような軽いノリではなく、正味深刻な少年虐待をテーマにした話。 森川さんは虐待を受けた少年4人のうちの一人が成人してからの声で、出番はほんのちょっと。そのため、脇でプラス2役を確認。1番目は街のかつ上げちんぴらで、主人公の少年を脅す役、2番目が少年院の誠実な英文学の先生で、キーになる小説を主人公にあげる役。この先生役は結構いい雰囲気、録音が1996年末ごろのはずなので、すこし実年齢より落ち着いた雰囲気を出してる、今やっても変わらない雰囲気だと思う。 そしてメインの役は黒髪がやや長めで、ちょっとラテン系のビリー・クラダップの声。あんまり聴かない名前だな〜でもこの役者さんすごくいい表情してるし、結構ハンサムだし、すごくきりりとした森川クールボイスが映えてて、イナセな感じがよけいに訳あり感を増す雰囲気を醸し出してる街の殺し屋。(純真な神父希望だった少年が虐待で変わり果てたという設定)、これはなぜかかなり印象に残った。それで、このビリーの事はもう一回あとで触れる。 4人の虐待を受けた少年の成人した一人にブラッド・ピット。検事役なんだけど、若くて知的でそれでいて影があってという感じで好演。若い頃のレッドフォードを彷彿とさせる印象。これを最初に観てたら、今よりもっとブラピに嵌ってたかもしれない、危うい(点数が急上昇中)。声は平田広明さんなんだけど、演技はまったく悪くないしむしろ上手いが、正直、平田さんの声は私にはちょっとブラピの雰囲気じゃない、できればこっちを森川さんにやってもらいたかった。 あと、ブラピの少年役がブラッド・レンフロで、これまた美少年でぴったり。 それから、脇をものすごい役者さん達が固めてて、話の重みと迫力を増している。親代わりの神父役がロバート・デニーロで、声が大塚明夫さんと来て、申し分なし。ダスティン・ホフマンが後半に主人公達を助ける重要な役どころの酔いどれ弁護士で、声も堀勝之祐さんで、これまたすごく良く有ってます。虐待受ける4人組のもう一人ロン・エルダート役が矢尾一樹さんで、矢尾さんと森川さんは二人でつるんでる役どころなので、まるでFゼロファルコン伝説の雰囲気そのまま(笑)。主人公で語りも全部担当する役者さんが実は一番印象が薄い。声も原康義さんという方で、良く知らない(ごめんなさい)。この主人公の印象のなさが実はこの映画の重要な要素で、視聴者の視線も兼た事実の目撃者という役どころ。目立っては行けない役回りなので、こういう印象で正解なのだと思う。 そして真打ちが、ケビンベーコンで憎い(にくそい)セクハラ看守役を熱演。声は江原正士で、もうそれはそれは憎々しさをこれまた好演。他にも書ききれないぐらい。やっぱり筋がしっかりしていて、演出に派手さはなく、役者の演技も過剰な部分が無い分、逆にリアリズムが増して、良かった。 ストーリィも印象的なら、役者さんも印象的なので、映画ファンなら観て損はない。 さて、森川さんの少ない台詞でも印象深いチンピラの殺し屋役のビリー・クラダップは、実はその後に化けてました。 この人どこかで見たな〜もしやもしやもしや・・・・えっ?えっ?最近観た人に印象が似てるんだけど〜〜〜って棚のDVDの箱を漁った、あったあった、この名前、ビック・フィッシュの息子役でした!! あ〜なるほど〜こうきたか・・・、そしてこっちでは平田さんが声やってましたが、ビック・フィッシュを最初に観たときに、この役を森川さんがやっても良かったなTV版ではやらないかなと思った(感想にも書いてます)のですが、こんな形で森川さんと縁があったとはびっくり、ビリーのあの顔、森川声が絶妙に合います、絶対にばっちりです。 (森川さんご自身がこの関係を覚えていたか?たぶん否かな?) ビリー・クラダップ、あまり派手な役者さんじゃないけど、演技ではいい顔してるので、今後も注目したい。きっとまた良い役で現れてくれそう、その時、ユアンのような森川さんのFIX(と決まったわけではないですが)の役者さんとの共演でなければ、是非次回、スリーパーズの時みたいなクールヴォイスで是非聴きたい。 こういう役者さん繋がり、面白い。
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