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2004年12月03日(金) ブラックホークダウン(訂正)

ブラックホークダウン(12月2日放送テレ東版)を視聴して
ジョッシュ・ハートネット役の平田さん、いい役だったし、いい演技でしたね。
観終わったあとに、森川さんに一度この役をやっていただきたいな〜是非聴いてみたいと贅沢なことを思った。これはビックフィッシュの時にも思ったが、ユアンが持ち役で定着してきたので、こういう映画ではユアンが出ていれば森川さんはユアンになるのだが、役者の演技の妙を望むとき、やはり重要な役で出て欲しいし、観てみたいのはファン心理である。だからこそ、平田さんがおいしい役を頂いていて、うらやましい。森川さんにもこんな役をください。ジョッシュの声を吹き替えてもぜんぜんおかしくないと思うので、ユアンさえ出てなければ・・・それにしても、平田さんと竹若さん(DVD版ジョシュ役だっけ)はよくかち合う?最近そんな気がする。
オーランド(いつでもどこでもレゴラス)ブルームの声の人もよかった。鮮度がいい演技。
この映画で、今回もっとも惹かれたキャラクター、DVDでも気になっていたのだが、今回観て再認識したのが、サイズモア演じるマクナイト中佐(車両隊の隊長)声が立木さん?(期せずして2Hearts共演になっているけど絡みはなかったか・・・)、声も雰囲気も最高に嵌っていた。彼は銃弾雨あられの状況でも、飄々と歩いている、決してかがまないし、よけない。どうどうとゆっくり歩き自分のペースで相手にしゃべりかける。もう、その凄みたるや、かっこよさを越えた、畏怖の念すら沸く。百戦錬磨というだけでなく、肝が据わりきっているのである。こういう人のことをまさしく漢であると表現すべきであろう。そして2番目に凄いのが、エリックバナ演じるデルタ突撃チーム隊長(?)フート(泣く子も黙る山路さん)。あと、後半森川さん=ユアン=クライムズをずいぶんかばってくれたのが大塚芳忠さん吹き替えのサンダーソン軍曹、クライムズをずいぶんと気に入って面倒見てくれた人。いい人だ〜その上、この人も男の中の男とでもいうべき漢であるが、こういう映画ではカッコイイという表現は自粛したい。ガリソン少将が津嘉山正種さんで、DVD版より理知的で冷静な感じに演じられていた。演技に関しては賛否が出るところかもしれないが、全体を通して突出を避けてドキュメンタリー風に淡々とした雰囲気を演出していたように思うので、しぶい通のキャスティングも含めて、この解釈に私は肯定的である。地上波は定期的にコマーシャルが入るせいで集中力がそがれて興ざめになるから本当はあまり好きじゃないのだが、それでもこんなに凄いキャストでこうしてまじまじと見せてもらえると、無料なのが申し訳ないぐらいである。テレビ東京さん、素晴らしい。近年観た吹き替え版では、指輪よりも良かったのではないかと思う。それぐらい脇も全部まとめて、眩暈がするほどに、素晴らしいベストメンバーだった。映画吹き替えの正攻法、とりわけ、まじめな正統派戦争映画はこうでなくてはいけないという部分の制作者サイドの意地と心意気を見せてもらった気がする。
森川ファンとして、今回の吹き替えの感想をすこし、DVD版を少し前に見たので少し記憶に残っていた。映画そのもの脚本も含め、出演者全体の総合的な演技がDVDとでは若干の違いがあるし、監督の演出にも差があるので、どういう比較の仕方がいいのか判らないが、今回のほうが若干骨っぽいというか男っぽい雰囲気を加えていたと思う。森川さんの判断でそうしたのかどうか、共演の方々とのバランスもあると思うし、何より監督の演出もあると思う。演技プラン的には他の人たちからあまり浮かないで、全体の雰囲気に沿っていたような気がする。コーヒーのシーン、2回出てくるが、演じて手の年齢的な成長もあるのか、幾分あっさり目の演技だったかもしれない。クライムズは物語の中では一服の清涼剤、緊迫して真っ暗になる映画全体の雰囲気をなんとかすこしでも明るさが見える方向へ引き戻す重要な要の役目を果たしているという点で、出番の少なさの割に2番目に名前が出てくる理由であろうと思う。演技自体はそんなに大きく変わらないと思うし、逆にどうしてこんなに数年たって似たような声と演技があっさりできてしまうのかも驚きだが、どっちが良かったかではなく、どっちも良かったと思う。


まいける2004 |簡易メールシルバーナの船室(コラム)

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