針の穴に通された光
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水の味というのは、実に表現しにくい。 せいぜい透き通った味だとか、塩素くさい味といった程度。 まろやか、さっぱり、すっきり。 どれもいまいちだが、味があるのは確かだ。 いったい何が水の味を決めているのだろうか。
蒸留水は味がしない。 純粋に水だけ(純水)というのは味がしないのである。 そうなると水を水たらしめているのはミネラル(鉱物)ということになる。 マグネシウム、鉄、カルシウム、等々。 言い換えればこのミネラルが入っているからうまい、 ということになる。
しかし何といっても、水を水たらしめているのはその人の心。 水道水だからなぁ、とか南アルプスの天然水だからなぁ、とか 山から湧き出た自然の恵みだからなぁ、だとか。 その場その場の雰囲気でとっても味が変わってしまうのだ。 何も混じっていないものが真にうまいと信じている人なら、 蒸留水に勝るものは無いのである。
従って水のうまさを表現するなら、その人の信念に従って表現を するべきである。 山から湧き出たのがうまいと信ずるなら、岩が水をどうたらこうたら、 だから○○な味でうまい、といった具合である。
しかし、そんな人は見たことが無い。
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