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ボクはこの草が気に入っている。 本当は「ナズナ」という名前で、ハルノナナクサの一つらしいが、 アキコはいつも「ペンペン草」と呼んでいる。
どうしてペンペン草というのかをアキコが見せてくれたことがある。 一本採って、葉の部分ちょっと引っ張ってプラプラにし、茎を持っ てクルクル回すと葉がぶつかって面白い音がするのだ。 アキコは「ペンペン言うでしょ?」と言っていたが、ボクにはペン ペンとは聞こえず「ペペペペペ」と言っているように聞こえた。
でも、勢いがあってなかなか面白い音がしたし、形も良いし、食べ ることもできる草らしい。 この草は日本中どこにでも生える春のダイヒョウテキな草らしい。 春になってこの草を見つけて、アキコのようにペンペンいわせたり 食べたりして喜ぶ人が日本中に出てくるに違いない。

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