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アキコは毎日毎日、大きくなったヒヨコたちに草をたくさん与えている。 アキコがしゃがみ込んで庭の草をハサミで切ってバケツに入れている間、 ボクはただ後ろで待ちぼうけである。
悔しいので、時々ボクは草を食べてみる。 ベッドから乗り出して、ベッドの横に生えている何だかわからない草を ムシャムシャと食べていると、アキコがそれに気づいて「ゲンゾーは草 を食べちゃダメだよ」と言う。 ヒヨコに草をやった後、ボクにキャベツを茹でてくれることがあるので、 ボクはわざとアキコに見えるように、草をムシャムシャ食べてみるのだ。
庭に生えている草はちっともおいしくないのだが、アキコがキャベツを 茹でてくれるのを期待して、ボクはこうして草を食べるのだ。 今日もアキコはボクにキャベツを茹でてくれた。 ヒヨコはただの庭の草だけれど、ボクは茹でたキャベツである。 やっぱりアキコはヒヨコよりもボクの方が大事なのだ。

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