蝶々がわたしを捕らえて月光さんざめく夜空へと飛翔。遙か下に見える街の光。遙か遠くに見える海の暗黒。遙か近くで風がなぐ。蝶々の手足はしかと力強くわたしを抱く。まるでわたしに蝶の羽が生えたよう。どこまでも行けそう。どこまでも行けそう。どこまでも行けそう。羽の色は触れば幻のように霧散しそうな程の淡い桜色。うっとりと、わたしは、眼を閉じて。