ことばとこたまてばこ
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誰か いつか どこかで ひとりぼっちの 耳に補聴器をつけた亡骸を 見つけてくださいましたら どうかお願いがございます。
やっとのこさ 障害者という呪縛から解き放たれ ただの肉の塊と成り果てたその亡骸から 忌ま忌ましく不必要だと呪いながらも おのれの障害を受け入れられない気持ちのまま ずっとずっと 人生の全てをかけて装着してきた 濃い黄色い耳垢にまみれた補聴器を 外してやって それを、 粉々になるほどの力で握りしめ コンクリートの地面にむけて 思いっきり 力いっぱい 叩きつけてやってほしいのです
それでやっと亡骸は 曖昧で それでいて くっきり鮮やかに 違いの浮き立つ 聴覚障害に ざまあみやがれと言えるのです
ですから どうかお願い申し上げます
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