シャカシャカシャカと
カシャカシャカシャと
あらゆる場所にシャッターを

ぞっとする、と言われて
だれだお前、と言われて
言葉を見て見ぬふりされて
気持ち悪いのですとぶん殴られて
暴行されるがままの無力を味わって
素通りされたあとに残る香りばかり嗅いできて
要するに薄暗く不透明なまっきいろの鼻水にも似た
ねばねばの液体に包まれたまま現実を過ごすわたしは
いつだって過呼吸気味で窒息気味


まるでいまにも、と思う


　（こんなにうまく言葉には出来てはいないのだけど）
いつまでここにいられるのか判らないような気がして
　（これほどに饒舌ではないのだけれど）
わたしは今わたしが立っているあらゆる場所にカメラを向けて
　（そんなに格好良いことばかり考えてはいないのだけど）
この光景がこれからもまた、とは心底思えないの
　（ただ愛したいだけだと、ただまぐわりたいのだと、ただ見ていてほしいのだと）
もはやこの安寧ももうありえないというような気がッしッてッ

友人と呑めばシャカシャカシャカと
朝起きればシャカシャカシャカと
糞ひねるときもシャカシャカシャカと
マグワウときもシャカシャカシャカと
玄関を開ければシャカシャカシャカと
シャカシャカシャカと
カシャカシャカシャと
あらゆる場所にシャッターを

陽 ｜HomePage

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