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2005年10月01日(土) 言語の浅瀬と言語の深海、生息する生物


なんとか普通にテキストを書けるようになってきました。
思考を言語化するにあたって、話す事より書く事の方が苦手です。難しい。
でも、同じ思考でも“書いた事”と“話した事”って結構違う気がする。
内容は同じでも、表現法法や言葉の選び方や、どこを重視するか、とかが違う。
だから、結局内容が同じだったとしても、両方あった方がいいな。
例えば、ダーと映画観たり、遊びに行ったり、色んな事を話したりした後で、ダーの日記を読
んだりすると面白い。
そこを書いたか!、とか。
そこを書かぬか!、とか。
そこを忘れたか!、とか。
そこは忘れてよ!、とか。
話した後に考えた事が書いてあると、あれがこうなったか!とか思ったりね。
真昼が覚えてる事をダーが覚えてたり、ダーが覚えていた事を真昼が忘れてたりすると、面白
いなぁと思います。ポイントが違うんだよね。そこが面白い。



頭で思った事を言語で表現するのに、[話す]と[書く]がある。
表現手段は、歌ったり踊ったり絵を描いたり色々あるけど、その中に[言語化する]という
のがあって、言葉のチョイスや構成なんかは、絵でいう“どの色をどういう風に配置するか”
みたいなもんだと思う。
その[言語化する]の更に細かい分類として[書く][話す]があるわけです。

ラーメンズ小林氏?がどこかで言ってたのだが、例えば、雪山で遭難した兄弟が、一週間飲
まず喰わずでいたとする。
極度の不安と、生への執着の末、兄は気が狂ってしまった。
その兄が、弟を見て「腹が減ったな…」と呟いてニヤリと笑ったらどうだろう?
「腹が減ったな…」は、突如として、一般の国語辞典に書かれているような意味から別の次
元のものになってしまう。というような事。

この言葉のチョイスや組み合わせは、とても面白い。
昔、自分の感情を言葉にした瞬間、なんか違うものになっちゃう気がしてイヤだった。
その事で凄く悩んだ時期があった。
何を言っても伝わらないと感じて、でも知ってほしくて、本当に些細な事を友達に話す時で
も、イヤでイヤで仕方なくて辛かったです。
頭にぼんやりある事を言語化すると、した瞬間、…例えば“悲しい”とかね、そういうもや
もやした感情を“悲しい”という1つの言葉にした瞬間から、その感情が嘘になっちゃうよ
うな気がしたのね。
多分、自分自身の頭の中にある辞書に書いてある“悲しい”の意味がもの凄く狭いもので、
そして自分の頭の中の辞書とほぼ同じものをみんなも持っていると思っていたんだと思う。
だから、自分の辞書には“悲しい”の狭い意味しかなく、そして他人の辞書にも同じ様な事
が書いてあるんだけど、今の自分のこのイヤな感情は、その“悲しい”とは正確には一致し
ない…ってことがもどかしかったんだと思う。
違う違う違うそうじゃない…って、その時は話すのが怖かったなぁ。

そういうのがあったから、自分の今の表現手段が“テキスト”になったんだと思う。
その辞書に載っている言葉の意味と感情が違うのなら、その辞書に載っている意味をもっと
広げれば良いと思ったわけで。
自分の中の、ポジティブな感情もネガティブな感情も、なるべく正確に言語化したいと思う。
自分の中にたくさんある価値観の中で、どの価値観の“味方”でも“敵”でもなくね。
なるべくニュートラルでありたい。
感情的になるのは有りだけど、最終的にはニュートラルにその事を言語化したいと思う。
ニュートラルになって自分の事をあれこれ言ってると、なんつうか、他人事というか、変な
気分になったりするけど、いっそ“他人事”と思ってもいいからまず言語化する事にしてる。
自己イメージと大幅にズレてる自分ほど、回収するのに抵抗があるけど、回収しないでその
ままにしてると、必ず同じ事で自分が追い込まれることになるのだ。
うわ、長くなった!

さっきの「腹が減った」の可能性の広さを感じてからは、テキストって本当に無限に表現で
きるんだなぁと思いました。
無限に誤解されようもあるしね。
今の感情に、“悲しい”よりもっと近い言葉があるかもしれない。
“悲しい”を使ったもっと別の表現方法もあるだろう。とかなんとか。
そう思ったら、わりと言語化することに抵抗がなくなりました。


と、いっぱい書いたらよくわからなくなってきました。
自分のペースで書けるようになってきたなぁ。良かった。ほっとした。
書けなくなったら困る。
また日記書いていくので、よろしくね。

写真はエレベーターの天井。
宇宙船に乗っているようです。
前にもちらっと書いたけど、エレベーターって好きだなぁ。
ああ、好きとかじゃなくて“タイムマシンにしてた”って話しだったか…。
ところで、私はこの歳になって初めてエレベーターガールに出会いました。
紀伊国屋で。新宿の。
まさか本屋にエレベーターガールがいるとは思わなかったので、大層驚きました。
あの人って確か、エレベーターが手動の時にいたんじゃなかったかと思うのだけど、自動に
なっても、やはり必要なのですね。


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