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2005年12月10日(土) 世界と自分をとりまく現実、鏡のむこう


君の指が、ぐちゃぐちゃと音をたてながら、ずっとずっと心の奥を掻き回す。
奥の奥の隙間をかき分けて、10本の指が全部ねじ込まれるんだ。本当だよ。
オレの骨がギシギシ軋む。
オレの頭がキリキリ痛む。
もう許してほしい。
もう助けてほしい。
だけど、君の目はグルグル回って、大事なものを探してる。
いや、そう見えるだけなんだ。そう見えるんだ。
オレのずっと心の奥を、こじ開ける、その言葉は凶器、スプラッター、まるで。

「イヤならもういいんだよ」
なぜオレは、イヤだと言えない。
「選ぶのは君だよ」
なぜオレは、逃げられない。

悲鳴を上げるが、世界は無音。
それは、オレが耳を塞いでいるからなんだけれど。
とてもとても、聞いちゃいられない。
そうなんだ、マトモじゃいられない。

だけど君は、オレが狂ってるって言うんだ。

もう許してほしい。
もう助けてほしい。

密室は、血だらけの、惨劇。

鏡に写るのは、なんでもない、いつもの部屋。

鏡の向こうに帰りたいんだ。帰りたいんだよ。



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