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2005年12月20日(火) 先週見た夢


僕は、大きな湖の中に群生している、ベッドの上に住んでいます。
僕の回りには、僕と同じくらいの歳の子供達が、それぞれのベッドに住んでいます。
僕のベッドの回りでは、大きな魚が、ゆっくりと泳いでいます。
とてもゆっくり泳いでいます。
湖はとても深いらしく、魚がずっと下に潜っていくと、姿が見えなくなってしまう程です。
僕は、そのベッドの上で、一日中うとうとと眠ったり、本を読んだり、流れ行く雲を眺め、
鳥のさえずりに耳を傾けるのです。



ある日、僕たちの住むベッドに、大人がやってきました。
まだ若い、けれど立派な軍人さんです。
軍人さんは、僕たち全員に、長くて鋭く重い槍を渡してこう言いました。

「君たちのベッドの周りを、大きな魚が泳いでいるだろう」
「その魚はとても恐ろしい魚なんだぞ」
「その魚は、君たちを食い殺すことができる、大きな牙を持っている」
「いつか、君たちはその魚に食われてしまうだろう」

だけど、僕たちは誰も、その魚に食べられた人を知りませんでした。

「だから、私はこうして、君たちに槍を持って来たのだ」
「君たちは今すぐ、自分の周りを泳いでいる魚を、この槍で殺してしまうんだ」
「この槍を力一杯降りおろせば、きっと君たちは生き残ることができるだろう」
「さあ、魚が大人しくしているうちに、今すぐだ」

みんなは驚いて顔を見合わせました。
何もしていないこの魚を、僕たちが殺すなんて!
僕たちは、槍を持ったまま、何もせずただぼんやりとしていました。
その若い軍人さんの言う事を、信じることはできませんでした。
僕たちは今まで、とても平和に暮らしていたのですから。
僕たちが何もせずに、ただ困ったようにうつむいていると、軍人さんは大きな声で言いました。

「何をしているんだ!早く!早く殺さないか!」
「私はこの重い槍を持って、君たちの為、遠くからやってきたんだ!」
「私の町の子供たちは、みんなみんな、死んだんだ!」
「みんな、あの魚に殺されたんだ!」

軍人さんは、しまいに大きな声で泣き出してしまいました。

「どうすれば信じられる?!」
「どうすれば君たちは戦う?!」
「ユタもミシェルもテツオも…ウーラもニノもイツコもタクミも!みんなみんな死んだ!」
「私には、君たちの命を守る事はできないのか!」

軍人さんは、泣き崩れ、そのまま石になってしまいました。


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