愛してるって云ってよ

2008年01月19日(土) 足湯


会いたいような・・・

会いたくないような


でも

切られたくない

別れたくはない



そんな気持ちで

待ち合わせの場所へ向かう



彼が逢いに来るときはここ


彼の家からここまでは

3時間半から4時間はかかる


私の家からは

1時間ちょっと



駅に着いた彼から

電話があって


お互いの場所を確認し合って



脇道から少し大きな道路に出たら


目の前に彼がいた




お互いに

いつもとは違う感じ

でも気まずいというのとは違うし

照れくさい・・・でもないし


困ってる感じ・・・




とりあえず助手席に彼を乗せて


行きたかったお店へ



ちょうど欲しいものがあったし


彼に対して

どう振る舞ったらいいのか

わからなかったし


なにか目的が在った方がいいように思えたから




途中の車の中でも

いつもと同じような感じもするし

やっぱりいつもより

お互いにぎこちないような感じでもあり






だけど

想像していたより

普通・・・







お店でも

捜し物をしているときには

普通に会話してて



・・・


いつも通りの私の中に

心の中にわだかまりを持っている私がいるみたいな

へんな感覚になってた




自然に別行動で見たいモノを見たり

また自然に一緒に話しながら見てたりして


目的のものを購入したところで



お昼になってた






近くのマクドナルドへ行って



メガマックのセット(ポテトとナゲットとコーヒー)一つで

二人分の昼食


彼は

とある本を読んで

頭の中がそれだけ・・・に

なってるみたいに

その話ばかりしてた



仕事を辞めて少しの間

引きこもっていたから

他に話せることがないって・・・




もちろんマックの店内で

例の件は話したくなかった


お腹が落ち着いたところで


二杯目のコーヒーを淹れて貰って

車へ





こんな状態になっていても

二人の行きたい場所のイメージは一致してて


またちょうどそのイメージに近い場所の

案内板を目にして

目的地がそこになった




いつも通り

途中で迷いながら

目的地へ近づいてみると




以前二人で

いつか行きたいね・・・って言っていた

温泉の近く・・・





目的地に着くと

足湯があった


足湯って

今まで利用したことがなかったし

気持ちよさそうだし

浸かってみることにした




二人並んで座って


あったかいお湯に足を入れた





平日のお昼すぎで




先に居たお客さんも

居なくなって


二人っきりになった



山の斜面にあるそこは

遠くまで見通せて

開放感があって


ほっとするような

そんな風景が広がっていて


あったかいお湯の力と相まって


身体も心もほぐされていくみたいだった






景色を見ながら


いろんな話をした


普通の世間話みたいなものもあれば


今回のことももちろん話したし


いつも以上に深い話もたくさん話した




何でも話せる友だちみたいに

エッチな話もした






会いたかった・・・
会ってもらえてよかった・・・



・・・と、彼に言われて


このまま会わなくても大丈夫なら
会わないでいたらいいのかな・・って思ってた
別れるのはつらくて嫌だけど
今は会わなくても平気で・・・
これがずっと続いたら
自然に終わりにできるのかなぁ・・って
あなたが私を想ってくれているまま
はっきり終わり・・・ってしてなくて
なんとなく会わないだけ・・って感じで終れれれば
辛くないのかなぁ・・・って思ってた



と、言うと




そっか・・・
その方がユリさんにはつらくないのかな・・・


って・・・




そのうちに


観光バスと共に

足湯にたくさんの人がやってきて




話は尽きなかったけど

それをきっかけに

足湯から上がって


話も一休み・・・

おみやげ屋をのぞいたりしてたら




お昼過ぎから来てて


気がついたら

山の向こうに陽が落ちて


ほのぼのとした夜景が眼下に広がってて




土産物屋も閉店の時間


駐車場の車に戻ったときには


ココに来てから4時間以上経っていた




車の中に二人並ぶと

足湯とはまたすこし違った雰囲気で



会話が途切れても

気まずい感じはなかったけど

やっぱりいままでと同じというわけではなく・・・








キス・・していい?



彼に訊かれたとき

彼のそばに身体を寄せて

顔を寄せたけど


彼の唇に

額を寄せるところまでしか

できなかった


下を向いて

拒絶してるみたいな形になってしまった


嫌じゃなかったけど

自分からは

顔を上げてキスすることはできなかった




彼は

額にキスして

頬にキスして


私の顔を少し上に向けさせて

唇に軽く触れるようなキスをした




私は

すぐにまた顔を下に向けてしまった




ごめんね・・・

嫌じゃないんだけど
協力的にできなくて
自分からできなくて・・・




いいよ
そんなの
そうされる方が嫌だよ




そうして

彼は私を少し抱き寄せて

額に唇を寄せて

額と頬にキスして・・・



ほぉ…っ・・・っと

ため息をついた


とても大切なものを扱っているかのような感じ

私のことを大事にしてくれてるって思える





なんだかセツナイ気持ちになって


彼に身を寄せた


身体がなじんでいるからか

何時間も話をしていたからか


抱きしめられたとき

ほ〜っと気持ちも身体も緩んでいた


あれ?・・・こんなに馴染んじゃって
どうして?


って思うくらい安堵感に包まれてた



キスして

手を握って


でもまだ

話は尽きなくて


同じ話をしているんだけど

自分の気持ちを確かめながら

本当の気持ちを探しながら

それを話せる言葉を探しながら

何度も・・・その時の気持ちとか

状況とか

繰り返し話して・・・






彼が仕事を短期間で辞めてしまったことに対して

いわゆる一般の大人の言いそうなことは

言いたくなかった






そんなの言われなくたって想像できる言葉だし

そう言われるだろうな・・・って彼だってわかってる

多分親からも言われてるだろうと思った





だけど

彼の親は想像していたより激しく


家にいて甘えてるからそう言うことになるんだ
早く出て行け!



と、言ったらしかった


前の職場に仮採用が決まって

勤め始めてから

彼のお母さんの彼に対する態度が良くなり

いままで居心地の悪かった居間に

家族がいるときでも居られるようになってた

って・・・、このとき初めて聞いた



ちょこちょこ・・・と

家族の話を聞いたことはあったし

弟たちとも特別仲良しって感じはなかったけど

みんな成人してるし、そういうものかと思ってた


両親に対しても

わかって貰えない・・・って言ってたけど

何かの時には

長男の自分がやってあげなくちゃ・・・って

言ってたし


そんな自宅に居場所がないって口にしていたとしても

そこまで確執があるようには思ってなかった


だけど


彼の気持ちは、苦痛は

ご両親には理解不能なことで

せっかく決まった良い就職先を短期間で辞めてしまった理由なんて

聞く気にもならなかったんだろう・・・


子どもの頃から

自分の気持ちを上手に伝えられず

聞いて貰えず

言う気持ちさえ失ってしまった彼のことなんて


心を開いていない子の気持ちなんて

理解できないんだろう・・・







子どもに対して

親の気持ちも知らないで・・・
心配してるのに



って思うことがある「母」である私

母親の感情もわかる部分がある


でも子どもの頃に

何で理解して貰えないんだろう

どうして私の気持ちを聞いてもくれないんだろう


って思ったこともあったから

そう思う子どもの気持ちも理解できる




両親に理解されたいと思っていても

上手く表現できなくて理解されずに


親の気持ちも知らないで!って

感情的に当たられてしまった彼の


その気持ちを考えると悲しくなった



近くに住んでいたときに

母の誕生日だから・・・って

本を自宅に送ってプレゼントにしていたのを

知っていたから


仲良しなんだと思ってた


そんな関係だなんて思ってなかった


理解されなくて

家に居場所がないって思ってるなんて

知らなかった





とても寂しい気持ちになって

せつなくなって


涙がこぼれた



あ〜なんか変な話してごめん
ユリさんが泣かないでよ・・・








もう辺りは真っ暗になっていた






夕飯どうしようか?





ホテル行って頼もうよ・・・



泣き顔で

明るいところで食べたい気分じゃなかったし

まだ話したいことが尽きた訳でもなく


まだまだ二人きりで居たかった




LHで

定食を一人前と

少しのおかずを頼んで


二人で食べて




わだかまりが全部が消えてしまった訳ではなかったけど




短期間で辞める自分をふがいないと責めて苦しんでいる

更に両親に責められて自分の家に居場所がない・・・って

感じてる辛そうな彼が目の前に居て・・・






辞めたことは仕方なかった

これ以上苦しみながら居る職場ではなかった


って


そこだけは見方になってあげたかった




抱きしめて

キスしてあげたくなった





そうして・・・

そのままsexになったけど


感じさせて欲しくはなくて

そういうことをして欲しかったんじゃなくて





すぐ繋がりたいと思った


彼を受け入れて

抱きしめて

温めて

慰めたいと思った





彼が挿入ってきて


あぁ・・・ユリさんの中だ・・・
もう二度とできないのかな・・って
思ってた




ぎゅうっっと抱きしめてくれながら

そう言ったのを聞いて




快楽じゃなくて

安堵感とか、

安らぎとか

そんなものを求めてる感じがして


切なくなった



・・・・・・・・・・・



あんなに話したのに


それでもまだ心の中を吐き出したりなくて


LHを出てからも

車で話をしていた


彼の家方面の終電が行ってしまって・・・


私の持ってる時間ぎりぎりまで

ずっとずっと話してた






親子関係の話は

私がが子どもだった頃の親とのこと

大人になってからの親とのこと

自分が母として自分の子どもに対して思うこと



共通していることがたくさんあって

逆に彼の年齢以上のある時期から

親との関係も変わってきたって言えることもあって



これからの自分の息子とのことを考えさせられることもあって


話は尽きなかった





彼の気持ちもわかることで


本当にいくら話しても

尽きる事がなかった











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