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人魚姫の話が完結した。 人魚は迷った挙句、ついに王子を刺す事が出来ず 朝日と共に海に身を投げ 泡となって消えて しまいましたとさ。 おしまい。 さて、息子 。どう思いましたか?
近頃の小学生の国語の勉強って難しい。読解力を早くから要求して来る。 これは絶対、我々の時代より早くなっている。 だから物語は、さり気無く試験付きにした。動機は不純だが微妙に切実。
「刺すと思ったのに」 おいおい。 「刺せばお母さんとお姉さんのところに帰れるのに」 なるほど。異性を愛すると言う発想自体が まだ無いんだった。 「刺されちゃうのがお母さんなら?」 「泡になる。消える」 答えは変わらない。この辺は一生変わらないで 欲しいもんなんだが。 「お姫様には王子様はお母さんと同じか、もっと大好きな人だったんだね。 お喋り出来なくなっても一緒に居たかったんだから」 「・・・・・・」
ま、黙ってたって解る日が来るさね。
「Rちゃんなら、どうすれば良かったと思う?どうすれば一番良かった?」 かなり抽象的な事を訊ねてみる。
「ばばあのところに行かなきゃ良かったと思う」 待てっおばばと私は読んだだろうがっ。
だがこれは ちょっと正しい。 確かに、おばばのところに行かなきゃあ良かったんである。 それじゃあ お話にならないが。 もっと他に良い方法があるものを 解っててしばしば人は早まります。私も。
現実でもこのおばば、あちこちに居るね。気を付けないと。
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