不機嫌なブーケ QLOOKアクセス解析

目次戻る進む


2006年11月07日(火) おーちゃんが死んだ。


ボタンインコのおーちゃんが死んだ。 享年11歳。
息子が勝手に誕生日を12月24日に決めてしまっていたが、実際は
8月に小ヒナで買って来たので6月生まれくらいであると思う。

子供がいなかったので、多分 寂しいから飼ったインコだった。
余りに大人しく、人になつくので「この鳥はあまり寿命がないのでは
ないだろうか」
と良く心配したが(実際にそう言う鳥も多い。
人を慕うのは、体が弱いからと言う理由もあると思う)
鼻風邪を1度引いただけで、いつも、どんな環境でも元気だった。


子供が生まれて、先に飼っていた 同じボタンインコのポンタ(♀)
嫉妬から赤ん坊の指を食いちぎらんばかりの敵意を示したが、おーちゃんは
初めから子供に好意的だった。とは言え 子供が小さいうちは、危険だ
言う理由でポンタと共に2階の一室に押し込められると言う憂き目にあった。

5年ほど前ポンタが死んでからは、ずっと家族が揃う居間にいた。
息子を咬む事もあったが甘咬み程度で、血が出るほど咬む事は一度もなかった。
実はメスから引き離そうとして、私が一度 肉が見えるまで咬まれた事がある。
彼らのクチバシには 大変な破壊力があるのである。
とは言え、そんな風に咬んだのはあとにも先にもその時だけ。小さな息子の
小さな指を舐めただけで泣かれた事もあったけれど。


「おーちゃん、Rちゃんは?(息子の名前)」
と言うと、息子が背が届かないのでおーちゃんと遊ぶ時に乗る椅子の方を
首を傾げて見る。誰かが昼寝をしていると、どうやら死んでいるかと思う
らしく、その時だけは大声で鳴きたてるのだった。


息子は兄弟がいない。 父親もいないけれど、これは叔父や祖父が何とか
奮闘中だ。 初めから知らないからか、父親を追う事は今のところない。
けれど兄弟も、となると深刻で、そんな息子がたまに「オレは弟がいるんだ。
インコだけど
と友達に説明しているのを聞いた事がある。
聞かされた方も、まだ幼いからか、優しさからか 「インコは兄弟じゃない」
返されているところに居合わせた事はない。
息子の友達にも おーちゃんは評判が良かったようだが、おーちゃんが
本当に好きなのは、チビでは息子だけのようだった。
鬱陶しい事もされるが、息子の事が一番気に入っているようだった。
多分、おーちゃんも自分より目下の家族と認識していたのかも知れない。


あと3年、頑張って欲しいよね。
私と祖母(母)の口癖だったが、或る日突然、ひどい動悸を打つようになり
2日後に逝った。私はずっと泣き続けた。息子が私にしがみついて
「お母さん、泣かないで」と泣いていた。
翌日になって、おーちゃんの冷たい身体を横たえた穴に涙がぽたぽたと
落ちた。二回ほど私と泣いていた息子が、この時は「お母さんまた泣いてる」
としか言わなくなっていた。恥ずかしい。

四季の花が綺麗な、息子が「基地」と呼んでいる庭の一番の特等席がお墓。

10月28日と29日の出来事だった。


今日は息子の乳歯が抜けた。
「おーちゃんのお墓のところに埋めようか。いい歯が生えて来ますようにって」
と私が言うと祖母が
「クチバシがはえたら困るのでやめよう」 と言った。




実は本名はオーディーン。今の家族では私しか知らなかった・・・



リリオペ  ブログほーむめーる

My追加