
未来っていう響きが好きだ
もちろん未来への興味も尽きない
水辺に映った月が、波にさらわれていくかのように東に逃げていく
僕はそれをずっと追いかける
それでも月には手が届かない
太陽と月の駆け引きは、そんなふうに続いていく
それが人生だと思う
気がついたら何かを求めて、ずっと遠くまで一人歩きを続けてきた
そんな風にして前に進んできた
未来は明るいと信じていた
苦難の道の先には、月の光が待っている
でも実際はそんなドラマティックではない
ドラマよりもリアルなたった一つの現実が生々しく爪痕を残している
現在と未来には磁石のような力が埋め込まれている
惹かれ合ったり、退けてしまったり
勝手に色々と考えていると、最果てまで来てしまった
月は過去を作るもので、太陽は未来を作るもの
未来は明るいと信じていた
信じていたかった
自分を騙しながら、月に平伏しながら進めば良かった
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